やっぱ気まぐれロック - 7:20pm ( ゲスト: 上杉飛鷹 )

Posted by 美海 * mimi on 29.2014 ON AIR


_________ 7:20pm



坊は鶏冠の上にコック帽を着けていて、羽毛はあれど服を着ていないとなんだか素っ裸の感じがするその上に、ただ今はシェフコートを着ていた。


ゲストの琴南奏江と上杉飛鷹の2人は、にこにこしながら、テーブルクロスの掛かった円卓をブリッジ・ロックの3人と一緒に囲んでいた。

その後ろでは坊が何だか落ち着き無く、ソワソワそわそわ・・・


「 おい、坊。 今日はずいぶん落ち着き無いな~。 」


と言われながら、早く~はやくぅ~と手先をカートに差し出して、そのカートの上に置かれた3つの銀の半球状の蓋を・・・


________ ボーン、ボーン、ボーン・・・

と、順番に叩いていた。


「 はいはい、皆さん、お待たせしました。 」

「 ではでは、コックの坊もウルサイので、紹介しましょう。
  本日のメニューは・・・・ 」


________ ドゥルルルルル~~~


ドラムロールの必要があるのかどうか、毎回疑問である坊だったけれど、そのドラムロールに合わせて、ジャン!っと、出した手書きボード。

それを見た琴南奏江。
はぁ?っと・・“ 甘くて可愛い ”って、紹介されたにも関わらず、キョーコに見せる普段の顔に一瞬なっていて、それをニコ~っと見ていた坊が、ん?と首をかしげた。


それに合わせて・・・

石橋光も、ん~~?と、頭が90度に下がるまで首を横に傾げて見た。

それを見ている坊が、一緒に成って右に左に首を傾げると、石橋光も一緒に左右に、あれ?あれっ?って傾げて見せた。


ドーでもいいわ。と、坊と司会者のそのやり取りを見ていた琴南奏江が、手で何かを合図していた正方形のボードは・・・

・・・90度横向きだった。


( なるほどな・・・)

だから光さんはワザと首を傾げてくれたのか、と思いつつなのかどうか分からないけれど、坊は急いでひっくり返した。


「 はい、お待たせ。今日のメニューはですね。
  上杉飛鷹くんの嫌いなもの。ハーブ料理。 」


そうは言っても、大人でも好き嫌いの好みがあるもの。
ブリッジ・ロックの3人も、一緒に試食するのは・・・ん~・・と思ってる様子。


「 さぁ、それではどれに入っているかを当ててくださいね。 」


そう言った石橋光の言葉に、ハーブ料理はデトックス効果も期待できるので以外に好きな琴南奏江が、おろっ?っとした顔で返事を返した。


「 そう言うって事は、入っていないものもあるんですか? 」


「 え~、じゃぁ、まずは食べてからにしましょうか。 」

はいじゃぁ坊、どうぞ~。と促されて坊は1番のお皿を出した。
上杉飛鷹くんの目の前で、銀の半円ブタをパカッっと取ると、ふわーっと漂う・・・

美味しい香り~。


「 おぉ~~! 」

ブリッジの3人も、蓋と同時に広がる湯気の中に漂う美味しそうな匂いにフンフンとと鼻を動かして驚いた。


「 1番。こちらは・・・」

坊のレシピ説明通りを石橋光が読んでゆく。


「 こちらはですね、緑の・・・
翡翠ニョッキ入り、クラム・チャウダー風パイ・グラタン。 さぁどうぞ。 」


坊は、パイの掛かった個別のココットを、それぞれの前に置いていった。

サクッサクッとパイにスプーンを入れる前まで、蓋を開けても蒸気の中からハーブの香りは何もしない。ただの美味しそうなバター・パイの香りがしていた。


「 いただきま・・・す・あれっ!? 」


テレビ画面には、パイを崩したクラム・チャウダーが映っている。それは・・・


「 はい。坊が言うには・・・
マンハッタン・クラムチャウダーでトマトスープベース。 」

クリームシチューの様な、クラムチャウダーをパイで想像していたんじゃないかと・・・

・・・と、まぁ、坊の言いたい事を、光さんが代わりにいつも言ってくれる。


「 ミネストローネ風で翡翠色のニョッキも入っていて、トマトスープのベースは
  アンチョビとパルミジャーノ・レッジャーノが入っていて・・・
野菜は摩りおろしてキャラメライズさせたので、全部トマトスープの中に溶けてます。」


野菜の形がないと飛鷹君も知らずに食べてくれていた。

一口大に満たない大きさの、シェルの形にした緑色のニョッキにもちろん、秘密が入っているんじゃないか。とは、テレビ・モニターを見ていても分かる。

恐る恐る口に運ぶ石橋ズ慎一と雄生&飛鷹くん。それに、シメシメ・・・とほくそえむ様に見える坊。


「 ん?あれ? ・・・なんか・・」


手元の説明書きを見る石橋光。坊と顔を見合わせて微笑んだ。


「 ちなみに、こちらの翡翠ニョッキは、ほうれん草とモロヘイヤ。
ハーブの類は入っていません。 それでは、次をどうぞ。 」


坊が差し出した、2番のお盆。半球の蓋を開けると爽やかな柑橘系の香りに食欲そそる。


「 スモークサーモンのマリネ。巻いてあるのは貝割れ大根。さぁどうぞ。 」


坊が一巻きずつ小皿に取り分けると、そこに緑の液体をポタッと垂らした。
焦がしたにんにくの香りが柑橘系のポン酢+オリーブオイルと合っている。

サーモンと一緒に添えたのは、かぼちゃのぺーストと紫芋のチップス。

かぼちゃのペーストは甘く、栗きんとんの きんとん部分の様だけれど、そのペーストと一緒に、勿体無かろう・・・プロシュート生ハムをこんがりパリパリに焼いたチップスで、ディップする様にしてある。生ハムの塩気とかぼちゃのペーストの甘味が以外にもマッチする。

紫芋の方はもちろん、色は紫ではあるけれどポテトチップスそのものに当たるので、飛鷹くんは、かぼちゃの甘いのもポテチも両方ともバリッとパクッと食べていた。


「 ポテトチップスは揚げてないので、琴南さんもどうぞ。 」


美容を気にしている事は、京子の相方ラブミー部2号なので、ブリッジもキョーコから今まで暇さえあれば楽屋にて…いろいろ聞かされて知っていた。

ポタっと坊がかけた緑の液体は、どう考えてもナッツの味がしていた。

んふふ~と、微笑んでいる?坊なんだろな、と石橋光が解釈してくれるので、坊と顔を合わせて、んふふ~~と、彼が代わりに微笑んでくれていた。


「 さぁ次をどうぞ。 」


石橋光に促されるも、坊は既にズイッと一番大きな3個目をテーブルの上で真ん中に押していた。

パカッと開けた半球状の蓋の中からは、これまたフワーっといい匂いが広がった。


「 お~、またもや! 坊の友達? いや、従兄弟か? 」


こんがり狐色の丸ごとローストダック。ナイフとフォークを両手羽でシャキ~ンと構える坊がじーっとダックを見詰めている。


「 なんだ、敵か? 」

「 じゃぁ、とどめを坊がどうぞ。 」


ナイフでガッと行くのかと思いきや、そーっと皮の部分に手術の如くナイフを入れた。
思ったとおり。と坊が思っているかは分からないけれど、皮を切っただけでも身がホロホロ崩れるほど柔らかくなっているのが良く見えた。


「 こちらは、炭酸水で蒸し焼きしたローストダック。それに・・・」


切り分けたパリパリの皮とほぐれるほど柔らかいお肉の部分を骨ごとお皿に取り分けて、坊は自分の手羽先でどの部位がいいか選ばせている。

出演者がそれぞれ・・・


「 オレ、足っ!大好きっ。 」

「 ムチプリの、ももが好き~! 」

「 あ~、手がいいかも~! 」

「 じゃぁ、胸が残ったけど、最終的にはそれがいい。 」


・・・っと誰かの体のフェチ順の様だけれど、それぞれにその部位を配る時一緒に麺の入ったスープが配られた。

黄金に輝くスープは、白く透明な米麺が入っているけれど、パクチーの様なハーブ類は浮いていなく万能葱の小口切りのみ。

ローストダックの横に一緒にあるのは、共に蒸し焼きされた皮ごとのニンニクとパール・オニオン。小たまねぎも一かけのニンニクも、皮は焦げていなくてパッリパリ。
でも、横に添えられたそれらの中身は・・・


「 じゃぁ、まずはダックだけ、どうぞ。 」


坊がずいっと手羽先で、はいどうぞ。っと差し出して、石橋光が代わりに言う。


「 それと坊が横に添えた、ニンニクと玉葱もご一緒にどうぞ。 」


「 おぉ~っ? おぉ~! 」

「 あれ? ん?どうして・・・? 」

「 んぁ? ・・・おぉ~っ!? 」


琴南奏江だけが、驚いていないのはキョーコの料理を食べた事があるからだった。

ニンニクなどの硬い皮は焦げていなくても、皮を剥かないからこそできる・・・
ニンニクは燻されて、黒ニンニクになり、辛味も抜けて甘露煮の様な色と味。
小たまねぎも燻されて、中はジュルッジュルのたまねぎエキスに、キャラメライズした様にコンガリ色が付いていて、もちろん味は甘~いたまねぎに成っている。

坊のグイグイ差し出す手の勢いと、ポンポン頭を軽く叩く威圧感に苛まれて飛鷹君はパクッとダックを一口頬張った。けれど・・・


「 ん? ぜんぜん、何もハーブ・・・って・・?どこ? 」


めっちゃ上手い!と肉汁溢れる手羽先を、自分の頭を撫でる坊の手羽先をじろっと睨んで齧り付いた。
そのじろっと睨まれた目線にじろっとにらみ返して、麺の入ったスープを差し出し入れろと合図している。ほどけるようなダックのお肉とトロトロのキャラメライズ・パールオニオンに、ペースト状になりかけている黒ニンニクを入れると、スープの香りは分からなくなった。

口に含むと・・・

干しホタテと鶏がらのスープの芳醇な芳しい香りに、燻されたオニオンとニンニクのスモーキーな香りが入って、余り馴染みのない異国の米麺でも食欲が刺激されていた。

ずるーーーっと麺を啜りながら、おぅ!と言う飛鷹くん。

食い辛抱。 の 辛抱しなさい。の、辛抱なんてせずに好きなものだけを食べて来たのだろうと思われる我が儘な食生活に、ハーブはどっちかといったら好みがあっても別にいいので、それよりも克服した方が良い野菜をメインに、以外にも食べさせていたキョーコであった。


「 じゃぁCMを挟んで、感想を聞かせてもらいましょう。 」


バイバーイと手を振る坊の横で、最後のスープまで飲み干した飛鷹君がカメラ目線で・・・
微笑んで胸の前で親指を立て、その親指にちゅっとした。



バイバーイしながらも、カメラの引いた画面の中には

最近やたら自分の周りで同じ事をする輩が増えた。と思っているのかどうかは見えないけれど・・・

じろっとその飛鷹くんの仕草を横目で見る坊が映っていた。



Love Letter from RT and CH