ぶらぶらしない・・・スペシャル 8:25pm

Posted by 美海 * mimi on 20.2014 ON AIR
___________ 8:23pm



・・・なに?


うぉぉ~! きゃぁ~ぁ!

なになに?ナニナニナニ~!?ぎゃぁぁ~~~!
なんで、なんでぇ!いいな~~!えぇぇ~!!きゃぁぁ~~~!



________ ガタン、ゴロゴローーー・・・ガタガタ、ドン、ガタッ

おーい、そっち。は~い。 
うぃ~~っす。 こっちもな~、ヨロシク~。


ざわつくスタジオ内は、ピアノを どっこらしょ。なんて掛け声をかける暇なく運ぶ。
掛け声なんて余裕のないほど配置転換に忙しい。なにせ、CMは、2本しかない。

暗転の中のまま終わった不破尚の歌2曲。

明るくなったら、不破尚はもうそこには居なかった。


でも、明るくなったスタジオ内では・・・


舞い落ちてきたキラキラの紙吹雪が観客の肩や髪や服についていて、
その紙吹雪の中、数匹しか居なかった蝶を手にした人達が、その蝶を見ていた。


たった一人だけ、暗転に成りそうな時に蝶が目の前に舞ってきて、目にしたその蝶・・・
きゃぁ~~!と声を上げながら、暗転前に手を伸ばし捕まえた。

暗くなる前に不破尚が見ていた、空間を舞っていた その一匹の蝶・・・

お辞儀をすると共に彼は暗転に成ったので、誰がその蝶を捕まえたのかは全く知らない。



でも、その蝶・・・


きらきら光る紙吹雪の様に、色々な色に輝く蝶が数匹いた中で、たった一枚の白い紙の蝶。

ナニナニ?と回りが騒がしくなって、明るい中でもう一度・・・ガッシリ手にしたまま確認する一人の観客が居た。

彼女が暗転の薄暗がりに成る直前に、目の前に飛んできた蝶。

ひらひらしながら、目にした・・・


“ Sho Fuwa by mimi*美しい海の彼・方より© mimi's world From far away beyond beautiful sea  ”


さっき、色々な色のタイルの中に書かれていた、不破尚の手書き・・・だろう。と思われるサインではない、彼の直筆・・・だろう・・・名前。

きゃぁぁ~!とバシッと両手で挟み捕まえて、明るくなるのを待っていた。

その白い一枚だけ、蝶の形をした・・・


“ SHO FUWA ドーム・ライブツアー スタッフ特別観覧席 ”


そのチケット。


スタッフとは書かれていても、いわば招待客である。

このスタッフ特別観覧席エリアに入る為のチケット、その形も毎回・・・

不破尚 本人が決める形。ライブの度に毎回このチケットだけは形も紙も違う事。
それは贋物や、前回のコピーが出回らない為の、毎回極秘である。

そして、このチケットには贋物やコピーと区別する為に必ず必要なものがあった。

それは、受け渡した証人の名前が2人、入っている事。
今まで一般にはファンクラブ会長すら存在は知っていれど手にした事も見た事など無い。
世間に出回った事のない、業界関係者オンリーのチケットだった。

その保証人のうち1人は SHO FUWA 本人の名前が書かれている事。


もう1人は・・・

贋物と区別する為に、“ 必ず2人 ” この掟。

2人の名前が必要だと、誰もが思う、2人の存在。


そのもう1人の名前は・・・


“ 不破尚 ”


尚の2つのサインがないと本物と認められない、いわば・・・2人とは・・・



アーティスト、Song & Lyric BY Sho Fuwa

歌手、 Sing BY 不破尚 

 

この 不破尚 本人の、作曲作詞アーティストとして、歌手シンガーとして、
2つの仕事の顔を持つ、1人の2人として・・・

彼の漢字とアルファベットの、2つの直筆のサインではない名前記名が必要だった。


それには、一般チケットには印刷されない・・・

彼からのメッセージである、ライブ・テーマ。 今回は・・・


“ 蝶の様に逃げ惑う恋も夢も、どうか捕まえて ”


毎回、尚がライブの中に歌う曲を決める時につける、このテーマを知ることができるのは

・・・彼の招待客だけ


尚と招待客の合言葉の様に、尚の心をコンサートの中に感じ取って欲しいのと

彼が毎回決めるこの極秘テーマは、もちろん贋物避けの為でもあった。




彼女がひらひら舞った蝶が目の前に来た時に、見たばかりの彼の名前。
手を伸ばして勢い良く捕まえた蝶。

明るくなるのを待っている間は、舞い飛ぶ蝶は全部、SHO FUWAの名前が書かれたものだと思っていたけれど・・・落とさぬ様に両手を動かさず、明るくなるのを待って手の平をそっと開いたら、噂でしか聞いた事の無かったコンサートチケット。

今回の尚が選んだ紙。その白い紙の蝶は、何も書かれていない付箋紙だった。



そのほかの蝶は・・・


尚の名前すらない、ただの綺麗な違う紙の蝶だった。




騒がしく忙しいスタジオは、もうCM開けであった。

_____ 入りまーす。5,4,3・・・






___________ 8:25pm






_____ チャララ・ラ・ラ・ラ・タッターーー・・・



「 お待たせしました~。 」


ピアノがどけられたスタジオ内。セット一転、ころころ色々変わるけれど、バックはLED影像なので、テーブルやピアノなどを配置転換するだけであった。


今回は、一番初め。

スタッフがピアノと同時に、お~い、こっちもな~。と反対側から入れた、石橋アーチ。

それに大きな長いテーブルが一つ、その周りに椅子が置かれ、それはいかにも、ヨーロッパにありがちな教会の中のカフェであるぅ・・・雰囲気を漂わせていた。
キッチンはすでに長いCM、尚の歌の前にどけられている為、横にずらしたグランドピアノの横に、カフェのマスターが立っていそうなカウンターが、うぃ~~っす。の掛け声の美術スタッフによりセットされた。


「 今回は、食後とあって・・・
  敦賀さんと、貴島さんに、考えていただいた・・・
・・・デザート・リキュールを。 」


「 そうそう。2人の会話の中にも、
  お酒の話がよく出た~。 」


「 そんなお酒に詳しいお二人に、
  注文をさせてもらったのは・・・ 」


「 和食にも、イタリアンにも合う、食後の飲み物で~す。 」
「 和食にも、イタリアンにも合う、食後の飲み物で~す。 」
「 和食にも、イタリアンにも合う、食後の飲み物で~す。 」


名前も同じ、このトリオ。とても息がピッタンコだった。そして、メイン司会の石橋光。


「 それじゃぁ、まずは・・・

  アシスタントの紹介です。 

 ・・・京子。さんで~す。 」



これだけは譲れない!と言い張った、京子の名前を呼ぶのは自分と決めている。
もちろん、雄生も慎一も存じ上げているので、何も言い合う理由も無かろう・・・

そんな彼らを知らない観客もスタッフも、石橋アーチにニッコニコで手を差し出して向けた彼らの向いた先、そちらに注目&カメラが向けられていた。


あぁぁ~~~~!!!なっちゃ~ん~~。きゃぁ~~~ナツ~! 美緒ちゃ~ん~~!!


観客の声援の中、石橋アーチから登場した京子。
にこにこスマイルしているものの、ちょ~っとお盆を持つ手が震えていた。


石橋アーチに合わせてされたセットは・・・

ヨーロッパによくある、教会地下 及び 教会の中。

少しブラックな雰囲気漂う彼女にも似合っている、石造りの教会の中のカフェである。
それは先ほど、ナポリの風景の中に鐘が鳴り響いていた、あの教会なのか?・・・
そう思わせるには十分。・・・って


彼女の手が震えながら持っていた銀のトレイの上には、カップと共に

来れない・・・久遠ヒズリを思わせる、

ピンクと白のグラデーションのバラが、銀のお盆一面に乗せられていた。



ピンクと白のグラデーションのバラを知っているのは・・・

テレビに映った舞台挨拶。でも・・・


このピカピカに顔が映るほど磨かれた銀のトレイに乗せられた、5つのカップ。

そのカップをトレイに乗せたのは、敦賀蓮。彼の創ったコーヒーと添えられたお菓子。
持つ手が震えた京子には・・・

久遠と過ごしたホテルでの、バラの海が彼の瞳に映っていた、鏡の中の二人の光景。
不安で久遠と居るにも関わらず、蓮に電話をその時かけた事も・・・

その部屋に灯りが点いていなかった事も、その灯りが点いていなかった家の中でのその後・・・

蓮がこの試作を作っていた事も、思い出していた。


それを誰に言うでもなく・・・



「 こんばんは。京子です。これから、準レギュラーに抜擢されて
  ブリッジ・ロックの3人と、お散歩、楽しみたいと思います。

  よろしくお願いします。 」


声は全く震える事はないけれど、持っている手が小刻みに震え傍に居るキャスト達にだけ、
カチカチとカップとソーサーが当たる音に、揺れているのが分かっていた。

この石橋アーチは、神的存在のゲスト3人の時は、神殿風にど真ん中で左右対称であったが、教会カフェの雰囲気に合わせて、真ん中に大きな長いテーブルを囲む様に座っていたゲスト、その横にブリッジの椅子、アーチは横に置かれていた。LED影像は石造りの窓をそのほかにも映していて、その窓からは高台の場所から臨む眼下に広がる街並みも・・・


その光景が・・・


最後の晩餐・・・風・・・


って、思っちゃったのは、ここから登場して全体を見ちゃった京子だけ・・・だろう。

持つ手も震える、久遠の怨念を感じていた。



そんな中、駆け寄る1人のジーザス、真ん中に居た敦賀蓮。


「 ふふっ・・・」


怪しい・・いや、妖しい微笑みを一瞬隠し、いつもの笑顔に成って駆け寄る。

マイクに拾われないようになのか、それでもマイクがぼっそり拾っちゃった耳元で囁いた声・・・

・・・トレイ、ちょうだい。 


んふっ。とそれに微笑み返す京子。



_____ ごめん、OO・・・手伝わなくて・・・

_____ ん~ん、大丈夫。



この想像・・・ドラマ好きな人ならば、それぞれの好みがあった。

想像上の敦賀蓮の OO は

同じドラマの “ 美緒 ” それとも、京子の人気を爆発させた、“ ナツ ”

どちらでもお好きな様にゴソウゾウする、見ている人。



「 お~さすが。理想の男~。 」


石橋雄生のそんな掛け声が、はっ!と、そうだったと戻していた。
きゃぁぁ~いいな~、なっちゃ~ん!!!いやぁぁ~、止めて~~!きゃぁあ~~!
との掛け声は、ドラマの中での事だけに、してっ!って、想いがある為である。

京子のトレイをヒョイと取り上げて、自分で持った敦賀蓮。
その横から、もう1人・・・マドモアゼルの御付の様に、現れた貴島秀人。

エスコートされる彼女は、敦賀蓮には、マダムようこそ・・・である。が・・・
そんな顔を見せること無く、エスコートされるままに

美緒の雰囲気かもしだす・・・

彼女のバックになんとなく、教会の地下墓地カフェ が見えちゃった観客だった。



「 は~い。それでは、こちらは敦賀さん作。 」

ウンジャラ・コウジャラ続ける京子。教会地下墓地カフェ・・・ではなく、
爽やかな風が海から吹くイタリアの蒼い空と、蒼い海の色のLEDバックの影像。

南の蒼い海の色と、ピンクと白のグラデーションのバラを敦賀蓮が瞳に写したカメラモニター。

そのモニター・・・誰も他には気付く者はいなくて、爽やかなカフェのマスターなイメージの敦賀蓮がカウンターの後ろに入っていた。


「 あぁ、大丈夫。京子さん、ありがとう。
  それじゃぁね・・・
  京子さんの分だけ、ここで作りますね。 」


その カフェ・ド・ジーザス敦賀 のマスター、敦賀蓮のお店に誰もが、行きた~ぁい!っと思う。


「 アフォガードと、マキアート。どちらがいいですか? 」

「 そうだな・・・じゃぁ・・・温かい、アフォガード。できますか? 」

「 あぁ、いいよ。じゃぁね・・・とりあえず・・」


この2人のやり取りに、急にマドモアゼル・美緒が、お・も・て・な・しを受けている様。
ムッとしながら見ている。でも・・・

 
「 貴島君と、石橋・・・エスプレッソ・マキアート・・・
  
・・・ソーサーに、一つずつ黒糖をのせて、お出しして下さいね。」



マドモアゼル・美緒。一気に破産し・・・バイトに受かった様に見える。
新しい人生を・・・がんばれ・・・と、お客に内心 思わせていた。

カウンターの後ろに並ぶ二人の光景は、何処から見てもバイトと店主。
ニコニコしながら、ウインクし、こうこうこうで・・・と作り方を教える心優しきマスター。

誰もがバイトに願い出たい。

カフェ・ド・ジーザス。

バイト募集が無くても、すぐさま履歴書を丹念に作り持って行きたい・・・


「 それに・・・“ はさん ”でありますね?

・・・・敦賀さん? 」


そうそう、カフェ・ド・ジーザス “ 敦賀 ”だった。
破産でバイトの美緒には、神頼み的な存在、心優しきマスター。

腕の火傷など気にせず、袖を折り曲げて捲くり、シャツのボタンを一つ外してその隙間にネクタイを入れた彼は・・・正に・・・

モデルRen

・・・ではなく

カフェ・ド・ジーザス敦賀のマスター。

いや・・・

その役をしている、俳優 敦賀蓮 ・・・かも知れない・・・


色々なゴソウゾウをそれぞれしながら、彼らのやり取りを見ていた。
横に並んで微笑み合った彼らには、“ 新しい人生を・・・がんばれ・・・ ”なので、
とやかく言うものも、俳優同士のドラマと見るものも居る。


「 京子さんのは・・・ 」

「 はい。敦賀さんのお勧めでいいです。 」


この2人の言葉の中に、“ 敦賀 ” “ 京子 ” この2つの名前に・・・
そ~だった、スタジオでしたと舞い戻る。

敦賀蓮が手馴れた手つきで、一杯の お・も・て・な・し を作っている。

その間の、敦賀蓮がコーヒーを入れる手つき。
ドーっとステンレス・ミルク・ピッチャーにお勧めのミルクを入れて、ガーっとスチームしている。その手つきに迷いも無く、ミルク・ピッチャーの中をじーっと見詰めて泡の具合を見ているところも、キュッと止めて布巾でスチーマーをふき取り、横できちんと豆をミルにかけ横から挽き具合を振って確かめるのも、その後エスプレッソを抽出している量をしっかり見ているのも

その全てが彼の本当にしている姿。


お家で・・・

_____ 食後のコーヒー、入ったよ。
    ・・君の為に・・・・


その想像は、横にあるグランド・ピアノと、スタジオ中バックに流れる彼の弾いた

“ Fantasy Impromptu ”

Dark Moonで彼が実際に弾き、そしてつい先日ミリオン・ダウンロード達成の曲。



_____ コーヒーを入れたら、ピアノでも弾こうか?
    ・・君の為に・・・・


そして・・・



その間、バラと共にトレイで運ぶ・・・バイトのマドモアゼル。イタリアなのでシニョリーナ。
どちらでもいい想像は、どちらでもいい。お好きな様にどうぞ。と言われている様である。


でも、お好きな様に・・・


「 これ。 」


そう言って、彼がカウンター下から取り出した、箱。
ジーザス・マスターが自分で選んだ、ドが付く位の、ド蒼い、いや濃い・・・
黒に近い・・・漆黒の紺色シュガースティック。

・・・お好きな様には、選べないらしい。


夜明け前の闇の空色をソーサーに添えて、それを持つ敦賀蓮。
戻ってきた彼女が傍にトレイを置かず、カウンター下に片付けた。

白とピンクのバラは、もう敦賀蓮の瞳には映らない。

・・・京子は、その瞳に微笑んでいた。



手を出されて、手を乗せる。

その2人の光景は・・・


_____ 食後のコーヒー入ったよ・・・
    ・・君の為に・・・・


に成っていたが、“ 京子さんは食事をしていないので。 ” と、敦賀蓮がはっきり言ったので・・・


_____ お疲れ。ごくろうさん
    食事の前に、どう・・・


の・・・理想の男。
・・・衣装もそのままに、残業でがんばった部下をねぎらう上司のイメージだった。


「 どうぞ。 」


自分の席、ど真ん中・・・ジーザス・最後の晩餐へようこそ・・・な席に座る京子。

椅子を引かれて、ぎょっとするも素直に座った京子だった。
目の前にそっと出されたカップを見ている間、後ろに立っているジーザス敦賀。
ただ今は、L ‘ Ultima Cena by LEONARDO DAVINCI at Santa Maria delle Grazie

の中には登場しない・・・隠されたダビンチ・コード “ W ダブル ”

2つの意味の謎、ジーザスの間の空間のその “ W ” 暗い影の解明ならずの影と成る。


そのダビンチ・コード謎の影武者、存在しない人、影の場所には・・・

敦賀蓮。


ジーザス席の後ろから、ひゅっと分からぬ様に、黒いストールを後ろにその影武者が回した。


彼女の頭の中に流れていたのは・・・

さっき偶々楽屋で見ていたOn Air

“ クリスマス・・・その日、敦賀蓮 1色で埋め尽くされた予定 ”

そう思ったOn Airを見て、その後に流れたCM ・・・


________ Tragic Marker

Cain Heel は、復活をし続ける彼だった・・・ 

“ REQUIEM for A tower ”

レクイエム 鎮魂歌・・・for A tower 鎮魂のための一つの塔碑

・・・その曲が頭の中をぐるぐる回っていた。



でも、スタジオ内に実際流れている曲は、Fantasy Impromptu

もちろん、その “ 幻想・即興・曲 ”は、ピアニスト Ren Tsuruga の弾いた曲。



スタジオ内に響き渡った きゃぁあああ~!!!蓮、いいぃ~!の声は・・・


_____ そうだね、君はどうしたい?・・・


ウインクつきでそう返された様な、その意味はもちろん・・・この後どうしたい?だよな。
とまぁ、そうなんじゃないかと思える光景の中


「 分かる? 溶ける様に・・・ぐるぐるって・・・掻き混ぜて 」


ぐるぐる~の手つきも怪しく、いや・・・妖しく艶っぽい。
・・・そんな、とろ~んと腰が砕け蕩けさせる敦賀蓮だった。

ふわっと肩に黒いストールを掛けてあげた、それにも・・・

一緒のベッドの中で、黒いシーツを肩まで掛けられた様な、勝手なゴソウゾウも進むのだろう、とは・・・

椅子の背もたれに両手を掛けて、上から顔を覗く彼に

下になって顔を覗かれる事。・・・もちろん想像は、抱かれたい男No.1の彼だから。


肩をちょんと突付いて微笑み合う2人に、唇だけ動かして・・・

何かの言葉を言っている彼が、 “ と・て・も・あ・い・し・て・る ” って・・・

なんだか、8文字だった口の動きは、その言葉しか想像できないで居た。


「 もっと・・・混ぜて・・・」


小声でマイクが拾った微かな言葉に、何だか分からない色気を感じるのは・・・
抱かれたい男だから。

ふふふ~っとイタズラっぽく笑う、背もたれに体重を乗せた両手そのままの彼。


フッ・・・

鼻から漏れたその息も、くくっ・・の笑い出しも、あはは~と笑い出したのも・・・
なんだか、虜にさせられて、遊びで終わり?と、満足した彼に火を点けられたまま文句の一つも言いたくなるが・・・



「 ・・・特に?

すご~く、合ってると、思わない?
一緒になると・・・最高の組み合わせ?
・・・・・だよね。 」



その・・・言葉に、体の相性は抜群だったね。と・・・

褒められた感じで、あった・・・ジーザスのお手並みであった。


とは、ちょろっと酔っ払っちゃった石橋ズも、何がしか じーっと見ちゃって思った様だ。




「 はいはい、敦賀君もそこに座って。 」


その貴島秀人の掛け声に、見ている人も敦賀蓮 含むキャスト全員が、

Trois Gymnopedies I. Lent Et Doubloureux

エリック・サティのピアノ曲に変わっていたと気付く・・・この曲・・・
ドラマを見た事がある人ならば、な~んか聞いた事、あるかも~。の曲。


日本に帰国した敦賀蓮演じる、その男の空港からの道のりを思い出す。

イタリアの伊達色男に騙されパンチをくらった観客のイメージ
そんなイタリア伊達色男も、スタジオにご帰国した様に感じ、敦賀蓮だ。と頭が ひゅるっと正常にご帰還した様子。


貴島秀人が親指を向けた、自分の座っていた席。

バイトのマドモアゼル・美緒も京子に見えてくる。敦賀蓮は指図通り空いている貴島秀人が座っていた場所に座った。


「 じゃあね。これは俺から・・・」


貴島秀人がGrotta Azzurra 蒼の洞窟 という真っ青が綺麗なカクテルを説明していた。

貴島秀人がそれぞれの前に、グラスを敦賀蓮から置いて行くけれど、真ん中の京子は無し。
京子は黙って、隣の石橋光を何気なくニコニコ見たら、石橋光の頬が赤いのはアルコールのせい?・・・

ボッと赤くなった石橋光。


「 おっ! うまっ。 」


今度は反対、なんか言った不破尚を通り越して、その先に座る敦賀蓮を京子が見て、何か口パクで縦に頷いた。

すっと貴島秀人の横に行き、彼の持っていたトレイを取り上げる。


貴島秀人のお盆には、先ほども一輪ずつテーブルにあった、白い小さな花。
リンゴの花が敷き詰められていた。

む~ん。と唸ったような顔をしたまま、後ろを向いて京子は去って行った。


貴島秀人は、ゴクゴク飲んじゃう・・・ブリッジの3人を見て、ふふっと笑って顔を背けた。

京子がお水を持ってきて皆に配りつつ、目の前の空いたグラスとカップを集めて下がっていった時・・・不破尚の方を見てなんか言ってそうな敦賀蓮に、それに微笑んだ不破尚を見ていた。


敦賀蓮が蒼いペットボトルのお水を取り上げると、まいど~おなじみ~・・・である、ドラマの中で見るそのまんまの衣装の彼が、そのボトルの水をゴクゴク飲んでいる。

ニューヨークから帰国した敦賀蓮演じるその役に、ニューヨーク時間の残業があった先週の放送。その残業風景の彼が思い返されたのか、残業しま~す。と声を上げた子。

その子に敦賀蓮が視線を向けた。


そのまま、スーパーサイズ¥0スマイル。それとなく彼が全ての観客を見回すと貴島秀人に視線を向けたためか、皆が貴島秀人に注目した。

もちろん、ブリッジ・ロックの3人+不破尚も、そしてカメラもそちらに向いていた。


でも・・・

敦賀蓮が一番初めに、¥0スマイルを向けた子。その・・・残業しま~す。と言った子のまるっきり反対側に皆が注目している間に、その子にスタッフが寄って行く。



「 ドラマの中でもそうだけど・・・」


テーブルに肘を付いて顎を乗せ、話し出した敦賀蓮。

もう一度微笑んで少しだけ首を傾げたのは・・・貴島秀人の方に顔を向けたまま、残業しまーすと言ってくれた子に視線だけ向けて微笑んでいた。

ひゃぁっ!と小さく声を上げたその子が、しーーっとスタッフに注意された。


「 あれ?なんだっけ? そうそう・・・
  スィート・タルトとか、アップル・パイとか・・・
  
・・・食後に・・・? ん~・・・・」


そう微笑む彼に、貴島秀人が話し出す。


「 今日、敦賀君の運転で
  一緒に現場から来たんだけど・・・

・・・ドラマと同じで、いい香り・・・」
  

ぎゃぁぁぁああああ~~! とそんなスタジオ内を劈いた歓声に、敦賀蓮は顎を付いた手に乗せたまま、客席の方を向き手を振って、ビッグ・スマイル・・・おまけ付き。だった。


「 ・・・昨日貰った花束の、ひまわりの香りが・・・
  自分も今日は、いい匂いと思っていたよ。 
  まぁ、甘いかどうかは、リンゴの方が・・・ 」


「 あぁ、この前のタルト、美味しかった。 」


リンゴの花がトレイに合ったのと、自分の作ったタルトタタンのリンゴENVY・・・
それに、隣に立っている貴島秀人から香っている、この香りには、嗅ぎ覚えのある

取り扱い注意・大変キケン

の・・・・マークが、なんでかな、すっと頭に浮かぶ。

そんな、京子をこの理想の男、2人は微笑みながら見ていた。なので、京子の方も
はい?ってテキトーに、営業スマイル、こちらも¥0だった。

その3人が手で何かを合図しているところ・・・
すっと立ち上がって寄る敦賀蓮。それに不破尚も加わって、なんだか意味深な4人。

な~んだ、この4人。プライベートも仲良しさん?と、誰もがそう思ってしまった。


真ん中に出て行く4人。


スタスタとMCと成った京子の横に、不破尚が立つ。

彼は先ほどの歌唱力で、仕事の出来る男である。と思わせていた・・・
この・・・

恋愛も、仕事も、友達付き合いも完璧で理想の男。

その2人に負けず劣らず、仕事ができます。と誰もが思っていたためか、とても3人の男達が逞しくも麗しくも、美しい。


_____ 俺だって、負けてないだろ。


もちろん、そんな声が髪を書き上げながら顔を上げ、上から下に睨むような粋がった不破尚。
ん~~~、お姉さんにも吊り合うわ。って思わせて、番組前より少し大人のイメージにされた。


尚~~! ナッちゃんと似合っているよ~~!の声に、フッと鼻から笑った尚。
一度目を瞑り、まぁな。と口が動いた様に見えた。


そんな事をしている3人を他所に、誰でもいいから抱いて~!と心の本音?の叫びを叫んだ子に、貴島秀人が手を振って耳に手を持って行き電話して?とジェスチャーをしている・・・

・・・その子にも、スタッフが寄って行った。



「 今月末、東京ドームでスタートする・・・」


そのツアー宣伝をし出した時、一枚だけの蝶を捕まえた子が、はいっ!っと答えたが答えただけで誰だかキャストには分からなかった。

それに、不破尚はカメラ視線で宣伝していたのと、特定の客に視線を合わせる事は・・・
敦賀蓮や貴島秀人と違い、普段からしない。

それには、彼が・・・ “ ただ逢いたい ”と願う歌が、心の中からの叫びなのならば


逢いたいと思う人は、どこに居るんだろう・・・?と思う、心優しきジーザス敦賀蓮の信者。

逢いたいと思う人は、どんな子なのかしらん?と思う、かなりなお姉さんの貴島秀人の信者。

逢いたいと思う人は、どこの誰~~!?いやぁ~~は、もちろん不破尚のファンである。


不破尚は誰とも視線を合わせない。って・・・

・・・その彼の純粋な心は、全ての人に伝わった様だった。



「 ごめんね。
俺達、酒も強いんだよね。 」


その、“ も ” ・・・“ も ”って、も?

も。 

なんだ・・・

もぉ~、いやぁぁ~ん・・・他に“も”~! と、さっき貴島秀人に、電話して。をされ、スタッフが寄ってこられた子は静かに胸の前で両腕で抱きしめながら、悶えている。



この・・・敦賀蓮が視線を向けた子も、貴島秀人が視線を向けた子も
それぞれ・・・胸に抱いている物があった。

理想の男。スタッフTシャツ。


そのTシャツと一緒に、

“ ドラマ収録現場見学は、これを着て来て。 ”


その彼らから・・・?なの?タイプされたメッセージ付き。

その招待のそれぞれの証人は、貴島秀人

そして、敦賀蓮


彼らのサインがメッセージ・カードの横に添えられた。

第2弾の撮影が始まったらその時、どうぞ。


と、云う意味だろうか・・・

・・・だって、“ 昨日。ひまわりの花束貰った。”

そのコメントを番組中にさりげなく残した、敦賀蓮と貴島秀人。


それとも彼らがサインをした時は、まだクランク・アップ予定じゃなかったのだろうか
クランク・アップの予定が2週間以上早まった彼ら・・・

予期していなかった彼らの・・・びみょー・・・

クランク・アップ・・昨日じゃ・・・と、そんな不安は、彼女達に無く、
嫉妬Envy な目で視線を送る他の観客が、な~んとな~く、そうじゃない?ってのと、
そうであって欲しい!との2つの気持ちの表れから、気付いた事だろう。


これらのプレゼントにプロデューサーが気合を、今日の為に入れた!
と・・・

7:00前、前座を務めた芸人がいろいろ言っていた、選ばれてここに来たラッキーな人の中から、さらにラッキーな人。5人・・・と、この後もう1人。

全部で6人。

この番組プロデューサーが、それぞれの事務所、ドラマ監督、担当音楽プロデューサーなど・・・
土下座の勢いと拝み倒して事務所から請求された、ものすごい額のギャラを用意したのは、この気合だった。
打ち合わせ時にはゲスト本人達にも少しだけと・・・彼らのプライベートの一こまを拝み倒して要求。
不破尚は手書きの名前なら、敦賀蓮は撮影なら、後からの貴島秀人も敦賀蓮に同じ。との返答で、それを事務所社長にも主任にもお願いした結果であった。

もう1人・・・

ここに来れなかった、呼びたかったゲストから・・・

共演者の京子と共にと、LME社長から預かった物があった。
これにももちろん・・・ギャラは加算されていた。

そう・・久遠から、京子へのギャラの上増し、売り込みの手伝い。

その結果になった事は、京子が出るとは知らなかったクオンの・・・
生まれ持った“ 運の強さ ”なのだろうか・・・



そのクオン・・・いや、敦賀蓮。


カメラ目線でチュっとキスを残し、ウインクしたら、目を瞑り
ネクタイを緩めてシャツのボタンを開け、んふーっと色気タップリでご愛嬌。

自分の親友でもあり、自分の心の中のもう1人であり、そして自分の人生である
もう1人の自分・・・

その一緒に出る事がこれからも一生出来ない、もう1人を・・・


一歩前に出て、敦賀蓮のスマイル¥0でも・・・

ズボンのポケットに親指を掛けてシャツをあけ、見下ろした冷たい笑みのポーズ


久遠ヒズリ・抱かれたい男No.2の写真のポーズを客席の前に披露した。



誰も何も気付かない・・・

でも、ずっこけかけ横に来た貴島秀人がじーっと顔を見たのは、なんか?あれ?と云う顔。
敦賀蓮は貴島秀人に、いつもと同じ微笑みになり、その笑顔を向けた。

いい? 
うん、いいよ。
じゃぁ、せーの・・・


「 恋愛も、仕事も、友達付き合いも完璧で理想の男。
  この後直ぐ、10時からっ。 チャンネルはそのままでね。 」
「 恋愛も、仕事も、友達付き合いも完璧で理想の男。
  この後直ぐ、10時から~。 チャンネルはそのままでね。 」


・・・ じゃぁ、今日は大変ご馳走様でした。 



不破尚も、貴島秀人も、敦賀蓮も、そして隠れた存在で出演した久遠ヒズリも

その男達は・・・

仕事も、友達付き合いも完璧で理想で・・・

・・・抱かれたい男たち



あれ?恋愛は・・・? 



その疑問を誰の頭にも残したまま、それが彼らの・・・



抱かれたい男として不動の人気を保つ秘訣。 ・・・である。




「 今日は、とても楽しかったです。 」
  

また、ぜひ、呼んでくださいね・・・



“ また、ぜひ、呼んで下さいね。”その言葉は、3人+影武者Wの男たちが
肩を抱いて微笑みかける・・・


京子に・・・


この番組、準レギュラーの彼女に言った言葉。



_____ 一緒に散歩でもロケでも


もちろん、本当の心の声・・・

“ 番組に出て一緒に、散歩でもロケでも ”




それに、きっと. . .____________




スタジオから出て、いや・・・ 

“ 枠の中に囚われず、広がる世界に向かって ”


一緒に散歩、いや・・・

“ 共に寄り道し、行動範囲を広げ、目的に向かって ”





彼らが、京子が出ると、もし前もって知っていたならば・・・

“ 自分に潰されない人気を彼女にも ”

そう願い思う、雲の上の存在の彼らが、必死になって手伝っていただろう。

もちろん、ギャラなんて仕事として請求しないほど。


“ 君の為に・・・ ”


そして・・・


・・・自分の為に


それはプロデューサーの、惜しいところだった。土下座せんでも、みんな気持ちよく協力しただろう・・・

みな、この乗り気でなかった、バラエティにね・・・_________




では・・・


「 さよなら~。 」
「 さようなら。 」
「 さよ~なら~。 」
「 ばいば~い。 」


4人が手を振り画面が引いて、ブリッジロックの3人も画面に映る。







________ 10:00pm



はい、お疲れ様でした~。


バイバイと手を振り消えたキャスト。



最後の一つ、久遠ヒズリのサインと京子のサイン。

2人のサインが入れられた、映画のプラチナ・チケット


そのサインを京子がした時、Cheuhonn のサインは・・・

入っていなかった。


京子が知ったら、どうしたのだろう・・・





・・・・貴方のご想像にお任せします。





この、運の良い観客からさらに運がいい6人は、何か関係・・・


それは・・・この先・・・


蝶の招待状も、撮影現場も


ご想像しても、しなくても、そのうちに・・・ ___________






_ 本当って・・・? 現実の彼ら・・・こっちが? なのだろうか・・・?

Instrumental of Love Dreams n.246


_ 10:00pm のテレビ番組

恋愛も、仕事も、友達付き合いも完璧で理想の男 第5話

Love Letter from RT and CH