CM * RMandy - A Graceful moment _ The lustily Moment for me & The moment for our Grace

Posted by 美海 * mimi on 26.2014 at BACK STAGE



____________ ギィ ・・・・



撮影スタジオの音が入らない、重たいドアを開けて

忙しく働く、たくさんのスタッフが振り返る事もなく、スタジオに入る。



Ms Woodsのメイク後、自分に付いていた一人のスタッフと楽屋を出ながら話していた。

この監督と仕事をするのは初めてだった。

その監督・・・



アールの話では、この撮影に携わるほとんどは、監督のクルーである事。
アルマンディのCMを、スタッフを連れて。と頼まれるのだからアールがかなり信用して任せていると思った。
今まで一度も会った事の無い監督との仕事に、監督が求めるものを聞きたいと思っていた。





________ 敦賀さん入ります。




「 敦賀蓮です。どうぞ、宜しくお願いします。 」




振り返って挨拶をしてくれるスタッフは、半数以上が俺を知らない。

自分への新しい挑戦と思ってもいいのだろうか________ ・・・




この撮影スタジオ風景は・・・

自分にとって懐かしさを感じる、片隅に追いやった筈の記憶の断片の一部の様で

それに、今なら思える・・・



あの頃があるから、今があるのか. . .と ・・・・・







________ それじゃぁ、まず・・・


「 こっち、来て。 」


監督の話を遮る様に手招きと共に、少し離れた所からの呼びかけに視線を移した。

どうぞ、どうぞ・・・
監督に背中をそっと押されて、そちらに一緒に足を向けた。



何度かした事のある、このセットでの撮影。



このCMは、合成で行われるとは、オファー後の打ち合わせに聞かされていた。

ブルーバックの狭い撮影スタジオ。
たくさんの照明は、自分にだけ向けられる・・・
影を極力押さえる為に、照明の数がドラマの撮影と違い360度全ての角度から、光が必ず作る影を、光で当ててその光で影を消す撮影。

影を印象に残すような現実的な風景と違う、CGの世界。
バーチャルの世界に生きる人となるには、現実に見える物を消す必要がある。

照明チェックをしているスタッフの横を抜けて、画面を見る為に少し暗めに光度の落とされた後ろ、その手招きを受けた人の所に行った。


「 見て。 」


やや大きめのPCの画面を向けられて・・・

このCG担当者に見せてもらった映像に、驚いた。



「 この先、奥行きがある様に合成しますので、
・・・後ろに空間があるつもりでお願いしますね。」


マウスを取り画面の中で矢印を動かし、自分の入る位置を説明してくれる・・・


この監督との初仕事。

普段は初めて会っても俺の事を知っているスタッフ。それほどの人気とファンが居る事を自分でも承知しているから、現場スタッフも寄ってくるような撮影風景。
自分を知らないスタッフたちとの耽々と仕事の説明だけをしてくれる この撮影は

名も知られていなかった、子役時代を自分の脳裏に甦らせて・・・

少し懐かしいとも感じる、個人的な感情の伴わないスタッフたちと、仕事だけに向けられる目が怖いとも思えた。

でも、監督が打ち合わせ時に言ってくれた言葉。



________ 敦賀さん。貴方自身に魅力を感じてモデル達の中から貴方を選抜しました。 


その言葉の意味に・・・

自分の人気が必要だとは言われていないと気付いた。

ただ、この監督の頭の中の登場人物が、俺と一致しただけなんだと・・・



想像の世界の登場人物


ただそれだけ________. . . . .



アールも社長ももちろん俺で同意したと聞いている。
それに、この撮影にはかなりの数のセキュリティガードが、スタジオのゲートから出入り口からもちろんスタジオの中にも一番多い数のセキュリティガードが立っている。

ここに入るまでにかなりの身元確認とセキュリティを通り抜けてきてとても時間が掛かったスタジオ入りだった。
自分の専属メイクアップ・アーティストであるMs Woodsすら入れてもらえないスタジオ内。
もちろん、社さんも廊下で待機を強いられていた。


撮影の照明やスタッフが多いCM撮影。

たったの30秒の世界に込める、全ての魅力を出す為に、人が多いほうが目の数も多いって訳でスタッフも多ければ、セキュリティも多いと云う・・・。



はっきり言って、むちゃくちゃ暑い。

なのに、汗をかくわけにもいかないし、透明感やエアリー感を出さなければ成らないカメラのCMは・・・はっきり言って、とても大変な仕事であった。

汗をかかない様に2日前から、最低限での水分節制をしたり、商品の映される手のケアも怪我なんかもちろんしないように、余計な事はできないし・・・

そのプロとしての心構えに・・・

それを評価してくれる多くの人に声援を受けてココまで来れた事に感謝して止まない。


いつもこんなスタッフの多い撮影は、以外に男臭い、汗臭い撮影なのだけれど・・・

初めての監督。この監督からのオファーが来た時、試してみたいと思った。

この監督、女性。

女性スタッフの多い撮影は、汗臭いどころか、甘い香りとさわやかな香りとで心の中も透明でエアリー感が溢れてくる。


ロンドンに住んでいた頃、アールと知り合ったらしいが、その後は直ぐにアメリカに移り、
ハリウッドで監督業をしていた為、日本では彼女も初めての仕事らしい。


バイリンガルの彼女が言う・・・



「 映像の後に、アフレコで台詞を入れたんだけどね。
それで、台詞は・・・

うふふっ。敦賀さん、モデル仲間やアールとの交流は英語でしょ?

So…. I thought you can speak in English right?」



“じゃぁ、英語普通よね。”と、英語で言われても、もちろん分ります。だって英語で育って来た俺。母国語第一言語は、はっきり言って英語の方。


「 Yes. Madam…」


「 No you don’t need to call me Madam. You can call me just my name of cause.

Ok what I’m thinking, I want to put your voice by Japanese and English both.
Cause your English is just same as native spokes.
Which mean . . .

It will be refracted your heart felt more than by Japanese, This is what I thought,
Is that sounds Ok to you? 」


「 It’s sounds great for me. 」


「 そうそれじゃぁ、始めましょうか? 」



日本語と英語の混じる彼女。彼女の頭の中はきっと、俺と同じに違いないと・・・
親近感が湧く。


“ 私の事を敬愛称号で呼ばないでいいわ。ただ普通のアメリカ人と同じ様に名前で。”

その言葉の次に伝えられた・・・
自分がいつも思っている事だったと感じて


“ アフレコは日本語と英語と両方。どうしてかって言うのはね・・・

貴方の心からの言葉として、言葉が映像とシンクロするのは
貴方にとって英語の方がそうだと・・・私は話してて感じたから。 ”



・・・実際、そうだといつも思っていた。

日本で暮らし始めて、人にいつも伝えたいと思う言葉が分らない時もあって
いつの間にか・・・自分の気持ちを隠して過ごす様に成っていた。



「 じゃっ、始めようか。 」

________ Hey everybody. Just let’s you guys remind and know as usual OK?

彼女のクルーはハリウッドから引き連れてきたアメリカ人で、誰も俺とクーが繋がっている事も知らない。
こちらの現地RMandy Japanのスタッフは日本人で、言葉が入り乱れるスタジオ。

彼女が日本に連れてきたクルーは、バイリンガルだと言うけれど・・・
その人たちも皆、俺と同じ。

英語の方がきっと楽なんだと思ったら、心を開いて撮影に望めそうだと

いつも敦賀蓮と云う表向きの顔をしたりして、身構える必要は無いと

ふっと映像を見ながら、自分の気持ちが解かれていくのを感じていた。




「 私もね・・・モデルをしたりもしたから・・・」

左手でマウスを動かしている監督が言いながら、へ~そうなんだ、撮られる側の気持ちも
知っているんだな。とも安心した。でも・・・


「・・・セットの中って照明が暑いの。すっごく!気持ちよく分るわ。
バレリーナもしてたから新陳代謝が無駄によくてなのか、鼻に汗が浮かんで
お~い、メイク~って止められて・・・いつもパフパフされてたのよね。
それとレフもね~、撮る側はどうしても必要なんだけどね・・・
眩しいんだよね~。目を瞑らないようにするのとか? ね~。細められないしさ~。
人間だもの。無理よね~。

目がチカチカしてどこ見てるのか分んなかった事もあったしね。

ふふっ。そんなので監督に文句言われたら、溜まったもんじゃないって、思ってた・・・

でも私も貴方に・・・こっち~とか注文出すけど、基本的には気持ちが分るから
無理は絶対、私は言わないから。
でもその代わり・・・

自分のベスト。必ず出してよね。

If you don’t think “ this is the best of mine “ that is just “ the better with confidence “

この二つの言葉の違いが分れば、ベストって意味が感じられるかな。 」



_____ This is the best of mine

自分のベスト ・・・そう思えない時・・・・

_____ The better with confidence

ただ自信があるだけの、いい表情 ・・・って事。


その二つの違いは、きっとこの世界で本物と言われる人にとって必要な言葉なのだと思った。
今まで自分が感じていた事・・・

クーと、俺の違いかもしれない。



「 いい、それだけ。ベストを貴方が尽くしています。
ソレが分ればいいのよ。私はね。いつもそうやって、撮ってきたから

一番人気の俳優さん。

だけど上って、落ちるしかないのよね。ベストが出せない人は・・・
下から這い上がって来たい人なんて、いくらでもいるから。・・・お忘れなく。 」



背中をポンと叩かれて、冷たい言葉に微笑む笑顔とのギャップ。


じゃあね・・・私の取り方。映像に入らない物から準備。

貴方のイメージね・・・アールから聞いているわ。

蓮・・・

貴方の名前って、芸名なのかしら?
ま、関係ないし興味ないからいいわ。ただアールから聞いただけ。

蓮って花。水辺の冷たい孤独な感じ。
だけど神々しく香る花。それが・・・この香り?

ダイヤモンドの香りに近いと言われる花よね。



どうぞ~とスタッフがセットの回りに灯したキャンドル

・・・D から始まる 蓮の香り

その香りが漂うセットに監督に促されて入った。


懐かしい香りに目を瞑り、自分が育って来た子供の頃を思い出す。


Juel ジュリの部屋で嗅いだ香り・・・


何も無いセットの中、息を大きく吸い込むと心の中が洗われる様で、透明な空気が流れている様に感じていた。
ブルーバックの狭いセットなのに、自分の脳裏には、さっき見たグラフィック映像・・・
風など無い涼しげな砂地に鏡の様に天と地が分らなくなりそうな程の透明な水辺。

Jewelと愛称を付けられて、生きた宝石と称される母親を思い返すのには十分で、
香りとハリウッドクルーとこのCMの商品とで・・・

日本に来る前の俺が居た・・・

久遠ヒズリとして活動していた子役時代のハリウッドにいる錯覚にさせられていた。



「 いいんじゃない。その柔らかい表情。 」


________ じゃ、始めて・・・Guys Let’s start


とりあえず、カメラはずっと回しておいて。

リハでも何でも、ベストの表情を切る事もあるからね。




さぁ、みんな・・・




彼のベスト。 



・・・もう直ぐに、フッ・・彼、できそうよね ____________






綺麗にネイルアートされた左手の指に着けている
メレ・ダイヤが散りばめられた結婚指輪が照明の漏れる彼女の場所で光っていた。

指輪をいじりながら、カメラマンと一緒にモニターを覗いている彼女

ふっと顔を上げて視線を向けただけで・・・



________ 影の出来ない世界にようこそ。 


そう言って付け足された言葉・・・



影の無い貴方。似合ってるわよ。貴方の人生もそうだといいわね ・・・



Mr. ・・・




・・・ REN  ・・・ T  . .___________


Love Letter from RT and CH