Another side of A New Day * the RUMOR in the light

Posted by 美海 * mimi on 10.2014 A New Day
From far away beyond beautiful... SEVEN SEAs
The one of a sea people called " Wonderland of the sea "

美しい海の彼・方より

  -the RUMOR of Mermaid's A New Day in the light -








離宮に辿り着き、キョーコの部屋のドアが開いていた

そっと覗き込んだけれど、彼女の姿はそこに無かった



そのまま、地上にまだ・・・


それとも、人魚に戻る事無く海の中に・・・



二つの不安が波のように押し寄せてきて、自分が一緒に帰って来なかった事を
・・・後悔していた

心の中を、彼女の笑顔が占領したまま

さっきまで彼女の手を握っていた 自分の両手を、ぎゅっと今までにした事の無いほど握り締めて、目を閉じて自分の国の中を感じようと集中した


さっきと同じ様に、二人の間にだけ感じる言葉の無い想いを心の中に研ぎ澄ませようとしても

この海の中に彼女の気配は無い・・・



海の中に消えて行った、砂の上の足跡を思い浮かべながら . . . . ___________





・・・・・・・・・・・






思わず・・・
落としてしまった石を、両手の中に包まれて

その上から柔らかく包まれた両手に・・・

自分の手に触れる事無くされたキス・・・


緑と茶色の瞳の、森の妖精・・・


妖精がその瞳を瞑った微笑みは、優しく毎朝キスをしてくれる

蓮の様に・・・


光の中で聞こえた声を思い出していた


_____ 色が変わったら、その “ 時 ” ・・・

だって言ってた・・・

光に透かして・・・

蒼い石の色を変えた妖精の声・・・・・
人間の子供になる前に遠くに聞こえた声は、妖精の声だった


その妖精が自分で色を変えたのだから、私は海に帰ったほうがいいのだろう

風に吹かれた赤い花を追いかける様に、河をそのまま歩いて行った

妖精が髪に挿してくれた花
その妖精の王子様は言っていたっけ・・・

_____ クイーン・・・ローザ・・・って


クイーンか・・・


妖精の国の王妃様の、花というものはとても芳しく美しいものだと云う事に
この国の王妃様は、その花に例えられるほど綺麗で高貴な人なのだろうと思いを馳せていた

王子様のあの優しい微笑みも、お母様の王妃様譲りなのだろうと思っていた

それほどにあの、芳しい美しい花が似合っている人だと思う

あの花を離宮に持って帰れるのならば、持って帰りたいと思うけれど
海の中に持って帰れるのかも分からないし、誰かに見つかっては抜け出した事がばれてしまう

遠くに流れてゆく赤い花を見詰めていた


もうすぐ、海だ・・・


そう思って、両手に握り締めていた蒼い石を見詰めながら速度を落としていた

入り江に着いて、両手の中の石をずっと見詰めながら佇んでいた

海からの風が冷たくて、自分の体がぶるっと震えた
遠くに見える波が白く、砂浜の足元に広がってくる波も勢いがあって
膝のところまで来て立ち止まっていた

この膝に打ち寄せる波の香りを一杯吸い込んでいた

この香りが自分の国の香りなのだろうと、足に撥ねた水しぶきが頬に付いて思い
片手で自然と頬を拭いていた

頬を伝い流れる雫に、思う・・・

自分が海の中で暮らしていると、濡れた頬というこの感覚すらも
初めてだった

蒼い石を見詰めたまま、浜辺を歩いて色が変わるのを期待していた

・・・でも何も起こらない

自分は海に、どう戻ればいいのか分からなかった

まだ人魚のまま海の中で迷っただけならば、どうにか成りそうと思うのだけれど
人間のまま海に入って行ってもいいのかどうかを迷っていた


「 どうした ? ・・・」


そう聞こえた声に、顔を上げた





the RUMOR in the light *光の国で・・・続く


Love Letter from RT and CH