恋愛も、仕事も、友達付き合いも完璧で理想の男-第3話 10:00pm

Posted by 美海 * mimi on 22.2014 DRAMA
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Starring ________


敦賀蓮

貴島秀人





_______ ウィーン・・・

コツ、コツ、コツ・・



「 おはよう・・・」


会社のビルの入り口。ファッション誌を扱う会社なので、モデル並みに綺麗な受付嬢の女の子達・・・


「 おはようございます。 」

きちんとした挨拶もできる、もちろん・・・日本語でも、英語でも。

海外からのお客と仕事のクライアントが多いこの会社には、バイリンガル以上の言語を話せる子が受付をしていた。

今着いたばかりであろう、ごたごたと立ったまま色々留守電や、時間の違う海外からの電話をすでに受けながらも、しっかり綺麗なお辞儀をしてくれる・・・そのハーフの子ばかりがいる受付を抜けて、エレベーターのボタンに手を伸ばしかけた。


「 いよっ。おはよう。 」

ボタンを横から先に押した男。


「 早いね。どうしたの? 」

「 お前こそ、早くないか? まだこんな時間だぜ。 」


腕時計をちらつかせながら・・・ 
まだほとんど誰もいないエレベーターロビーにて・・・


「 ん・・・時差ぼけ? 」



・・・ キンコーン _____________





・・・・・  


――― Eric Satie

Trois Gymnopedies II , Lent Et Grave と共にお読み下さい。


・ ・ ・ ・ * 第3話 we Chase in… 3時の取り合い * ・ ・ ・ ・
 




________ キンコーン ・・・


「 時差ぼけね・・・本当か、それ? 」


の、訳ねーよな。そう言いつつエレベーターの中の鏡を見つめて・・・
髪をかき上げて直す男と、襟元のタイの形を直してジャケットの前を正す男。


「 それより、毎日こんな時間に出勤してるの? 」

「 ん、まぁな。 」



________ キンコーン ・・・

二人そろってエレベーターが着いた先で下りた。

まだ誰も来ていないフロア。自分のデスクに向かう途中・・・


チャリン、チャリン・・・ピッ、ガタン。
チャリン、チャリン・・・ピッ、ガタン。


自分で自販機でそれぞれコーヒーを買っていた。自分のデスクに着くと立ったままPCの電源をOnにして、立ち上げるまでタブレットを取り出していた。

それは・・・

二人とも、全く同じ行動だった。



あぁ、そうそう・・・昨日選出した新しいミラノの方のチームメンバーさ・・・
そう言って話し始めながら、メールをチェックしていた。

うん、何か・・・あった? 立ったまま画面を見詰めながら、カチャっと缶を開けて一口飲んでいた。飲みながらPCの画面に向いて座りだし、メールをチェックしていた。


俺たちはいつもこうして・・・

昔から同じ時に同じ様な行動をとっていた。
その為か、大学時代にも二人揃って目立っていた。もちろん・・・

良い様にも、悪い様にも、人が受ける俺たちの印象は、さまざまだった。


良い事も、悪い事も、全てを見られているような感じがしたけれど、でもそれが俺たちにとっては、目立ってナンボの業界に夢を抱いた学生の時だった。

目立つ分には二人揃っている方が、もちろん人目を引くのは確か。でもそれを利用してまで、自分の株を売りたいのか?と問われれば、そうではなかった。


そう、それは、お互いに・・・


ただ、気の合う友達だったから、お互い二人でつるんでいても、自分と同じ感覚に全く違和感を覚えた事も、嫌悪感を抱いた事も無かった。
自分がアメリカに留学する事を話した時は、淋しいかと言われたら・・・そうではない。

付き合っている女の子の様に淋しくて涙を流す事ももちろんないし、かといって、遊びに行く所ができたと喜ぶでもない。

ただ、自分が一人、自分の目指す先だけを見ていたお互い。


その自分が目指す自分の見詰める未来の先には、自分一人しか写っていなかった。
だから、どうとかという感情は、お互い湧いていなかった。自分だけで精一杯・・・
それしか、お互い同じ様に見えていなかったから ___________




「 そうそれで、なんだけど・・・」

「 うん、うん。でっ? 」


もちろん3つのチームを担う上司は、俺たち二人とも。


R. R. R. R.・・・―――――


「 あぁ、ちょっと待ってて。 」

Hello・・・そう話し出しながら、タブレットのアプリを開いて写真を確認していた。
サンフランシスコからの電話。この電話を受けたくて早く出社していた。

椅子の背もたれに寄りかかり、ちらっと横目でPCの画面を見ていた。

PCのメールを送りながら、タブレットの中の写真を数枚スライドし、電話で話しながらも、横の友達のPCの画面に指差した。

画面を指したその手で缶コーヒーの蓋を開けたら・・・倒さないようにタブレットと反対の位置に置き直してくれる。

隣のPC画面には、今自分が転送し指差した添付ファイルをもちろん解って開いてくれている・・・

・・・この同僚。

良いも悪いも、何もかも、全てを見通してくれている。

OK, Yep.I got it. It was nice to talking with you. Thanks for call, Have a good of rest of the day.
…Bye.

電話を切るよりも先に、何を言いたいのか解ってくれて、もう送られて来ていた今開いたばかりの添付ファイルと、自分のタブレットと二つの国の同じページを見比べていた。
でも直ぐに思いついた様に、もう一つのタブレットに出した画面のメールに返信している。


「 あぁ、意味、分かったよな。 」

「 あぁ、ミラノチームだろ? 」



「 なんだ、そうかサンフランシスコ時間に間に合いたくての出社ね。 」

そう言われて・・・本当は、ニューヨーク時間に間に合いたかったけれど、午前4時になってしまうので、さすがにそれは出来なかった。

そうも言えず、ただ考えて微笑んでいたら・・・


「 本当は、ニューヨークの時間に来たかったんだろ?」


あはは、やっぱ分かってた? と言いながらコーヒーに手を伸ばした。ゴクっと一口飲みながら、足を組み直してポケットからスマフォを取り出した。


「 時差ぼけのまま仕事したら、現地時間通りだよな。 」

スマフォにパスワードを入れながら、上部に表示されている時間を見ていた・・・

・・・まだ、設定。ニューヨーク時間のままだった。




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Love Letter from RT and CH