やっぱ気まぐれロック 7:40pm (ゲスト:百瀬逸美)

Posted by 美海 * mimi on 04.2014 ON AIR


_________ 7:40pm



「 おかえりなさ~い。 」


セットが変わって食後の団欒に成っていた。百瀬さんの横に立ってお茶を置いた。
相変わらず、ギャルソンの格好のままの坊・・・


「 さぁ、それでは・・・」

「 百瀬さん、1~3番。一体どれが揚げてなかったと思いますか~?」


___ドゥルルルル~~~

こんな事に、ドラムロールを使う必要ないんじゃない?なんて自分で思っているものの、ドラムロールにあわせて、百瀬さんも“ う~ん。”と考える仕草がとても、カワイイ~。と思っていた。


「 から揚げ。 」

___ ドゥルルルル~~~~

「はい、それでは坊から、正解どうぞ~!」

ドラムロールが続く中、ジャンっと出した札。




“ 全部、揚げてない。 ”




「 正解は、全部でした~! 百瀬さん当たり~! 」

全部正解と言う、なんとも ゆる~いクイズ。今日はメニューを考えるのも、いつもの敦賀さんに作る物だったので、とても簡単だった。と自分でニッコニコだった。

揚げてないけど、お茶はウーロン茶。鉄観音茶を混ぜて油の分解を促したソレは、なんとも香ばしい いい香りに着ぐるみの中でも分かる。
喉がめちゃめちゃ渇いていたけれど、今日は百瀬さんにばれたくなかったので頭を外す事無く我慢していた。


着替えてきていた百瀬さん。さっきの“食いしん坊ばんざい”のミニドレスではなく、美月を思い返すような、ジーパンにシャツというカジュアルな格好だった。

なので、当然の様に話はDark Moonに成ってしまう・・・と、云うか演出だった。


「 そうですね、あの撮影は大変でしたよ。話が長い2クールのドラマでしたし。 」

「 へ~ そうなんだ。じゃぁ撮影期間も長かったんだ。あぁ・・・」

「 Dark Moon以外でも、敦賀さんて、あ、テレビで言っていいんか?これ。」

「 いいて、聞いたよ。」

「 ほんまか? 」

「 事務所おなじやん、俺らと。主任に聞いたから。 」

「 じゃ、でも・・・ここまで言ったら、皆、気になるもんな。
・・・言ってまえ。」


「 じゃ、百瀬さん、共演者キラーの敦賀君だけど・・・」


_____ ぎゃ~ぁ!!!きゃーーー! えぇぇぇ~~~!

(なんとも、う、うるさい・・・。)


着ぐるみの中ですらうるさいのに、生耳で聞こえる4人はたまったもんじゃないな。案外、蓮の話しが出ても冷静な自分が居た。


「 ドラマ中に落とされなかったの? 」


_____ ぎゃぁぁぁ~~~~~~!!!!


キーン。。。

(大変ね、敦賀さんの人気って。共演者が他の女優さんからもお茶の間からも睨まれる話も聞いたし。)

「 えっと、はい、落とされました。 」


_____ きゃぁぁぁ~~~~~!!!

(ええぇぇぇ~~~~!!!つつ敦賀さん、いつの間に!?)


「 って言っても、私のは、嘉月にですよ。敦賀さんじゃありません。 」

「 なんや~、えらいビックリしたわ~。 」


私も中でかなり驚いていた。けれど・・・百瀬さんって・・・もしかして。と思っていた事が撮影中に何度かあった。

ドラマの中で生きた彼女の美月は、百瀬さんではない。と自分でも美緒をやって思っていた事だった・・・でも、彼女が髪を切ってきたのを見たのは、私がBox “ R “ の撮影と重なって最後の徴収に集められた、最後の撮影の一回だけだった。


「 ふふ、そうですね。あの役は大変でしたから・・・。」


そう言った百瀬さんの俯いた顔に、少しだけ思った。この人も敦賀さんの演技に呑まれていたのかと思ったことも、本気で相手を惚れさせる演技をする・・・敦賀さんの実力は、今。自分の身に起きていたから・・・

今夜の蓮とのデートの事も、今夫婦の役を演じる事も、今まで敦賀さんに作った食事の事も、そして・・・体を重ねる事に成るかもしれなかった夕べの事も・・・
ボッ!っと赤く成っていた事に、着ぐるみの中に入っていてヨカッタと心から思える。


「 ふふ。負けず嫌いなんです。・・・私。 」


トークの会話に時々入る百瀬さんの顔を見ていると、微笑む顔が心の底から笑っていない、少し寂しげで・・・そう・・・

・・・役者としての敗北感なのかと、思っていた。


「 じゃぁ、一番思い出すシーンとかは? 」

「 う~ん。そうですね。カースタントかな?
・・・あの、カースタント。悔しくて私も乗ったんですよ。」

「 え、悔しいってどういうこと?」

「 負けず嫌いなんです。ってさっき素直に言いましたよね。」


片手をグーにし真剣な眼差しで力説している百瀬さんを見ると、そうだったんだ、この人も役者バカだった。と思い返していた。


「 あとは? 」

「そうそう、敦賀さんではないですけど、美緒と和解する所ですかね。
恨まれていたのに心を開いた美緒に、ありがとう。って言うだけなんですけど・・・
京子さんの演技の上手さに、呑まれました。」

「 そうそう、美緒役の京子さんは、同じ事務所やん。」

「 俺らも、タレント部で先輩なんよ。」

「 彼女、いつも礼儀正しくて、優しいいい子だよな~。」

「 そうそう、運もあるんやろな~
・・・まだ、3年たたんと、一流女優にのし上がってきたしな。」


(ちょっと~!?そんなことないないないです。買いかぶりすぎですよ。皆さん。)

着ぐるみなので、照れても顔が出なくてよかった。思わず手羽を顔の前で振ってしまいそうだった。


「 うふふ。京子ちゃん、パーティの時、綺麗でしたね~。」

「 テレビで見たけど。百瀬さんももちろん、当たり前に綺麗でしたよ。」

「 ありがとうございます。 」

「 ・・・京子ちゃん化けるモンな。」

「 そうそう。」

「 ふ~ん。3人とも、仲いいんですね。京子さんと。」

「 え、まぁね~。・・・で、っておい!坊!
百瀬さんに近づきすぎだぞ。一緒にソファに座って。
お前、でかいケツだから、百瀬さん狭いだろうが。 」

「 んふふ。いいんですよ。坊くん、可愛いし。」


(いえいえ、百瀬さん、あなた私の事買いかぶらないで下さい。私は貴方を女神のように慕ってますから~。)

百瀬さんの両手を、手ならぬ、手羽で握っていて、斜め下から顔を覗き込んでいた。


「 ありがとう・・・ふふ、忘れられない。ドラマでした。」


同じ事を言われて、同じ様にキスを、百瀬さんにされた事で、思い返したバレンタインの蓮との事・・・

・・・あの後、そういえば・・・


「 まぁ、今の坊がね・・・敦賀さんではなく、久遠ヒズリみたいだけど。」

その言葉にはっと我に返った。蓮との事を思い出していた矢先だった為、そーいやただ今、事務所の陰謀か宣伝かなんだか分からないけれど、本人が居ないのにそんな格好のニワトリをさせられていたんだと、思い出した。

・・・金トサカ蒼眼の坊だったっけ。

もう一人の彼氏の存在。思いっきり体の関係を持っていたのは、そちらだった。と気が付いた。それに映画のヒロインだった私に、相手役の格好をさせられていた事にも・・・なんだかな~。と思っていたんだと思い出して、久遠の癖を思い出しながらカメラ目線でちゅっとキスを投げてみた。

(ん?あれ・・・?)


「 あ、そろそろ、時間やな。」

「 じゃ、それじゃ、百瀬さんまた遊びに来てや。」

「 はい、やっぱきまぐれロック。
来週のゲストは、上杉飛鳳君です。どうぞお楽しみに~。」


「それでは、また来週~」


皆でバイバイして・・・

5.4.3.2.1・「ハイカット~。お疲れ様でした~。」


(さすが、生。8時ピッタリに終る。・・・当たり前よね。)

ペコペコ頭を下げながら、捌けて行った。でも思い返すのは・・・さっき
あれ・・・?と自分でやって、自分で思い返してしまった事だった。


久遠が・・・カメラ目線で客席にもちゅっとキスを投げたこと・・・実は蓮もよくしているし、その角度といい指の使い方が似ていると、自分の中の絶対視感スケールが同じとはじき出したこと。


_____ プキュ、プキュ、プキュ・・・
うぅ~~ん。と唸りながら楽屋に、プキュプキュさせて、よ~~く思い出そうとしていたが、思い返されるのは左右反対。右利きの蓮と左利きの久遠。フォークで食事をする事が多かった久遠は、フォークを持つ手は左だけど・・・お箸を持つ蓮は右。
キスも左と右かもな。でも、久遠・・・右手でペンを持っていたかも。と、いろいろ思い返しながら、楽屋に急いで帰った。

だって・・・

これから・・・


うふふっ。蓮との・・・初デートだしっ!


頭を脱いで、その坊の顔を見詰めた。
金トサカの・・・久遠の頭にちゅっとキスをして、


「 久遠ごめんね。・・・でも、愛してるよ。 」


そうつぶやいて、今日の坊の頭を撫でて抱きついた。 






Love Letter from RT and CH