To be my Grace - IXXX * One More Love . . .at Last . I

Posted by 美海 * mimi on 22.2014 To be my Grace
.



________ キッ



「 着いたよ・・・」


「 う~ん、ごめん。寝てた~~~・・・ 」



はあぁ~・・・と大きなアクビをして



________ ゴチ。


「 痛った~・・・」



前々から思ってたけど、車の中で立ち上がれないだろう。
それに伸びまで おまけにプラス・・・。


思いっきりぶつけた手で、頭の痛いのを押さえても

( 痛みが2倍に成りそうだ・・・)

・・・なんて思う自分。



早朝から出てきた自分達。車の中で寝てていいよ。と先に言っていたけれど、始めはドキドキしていて眠れないでいたキョーコ。


今日は・・・

彼女が上京してから初めての帰郷。



11時から仕事の為、朝早く悪いけど・・・・




隣に停まった黒シールドの貼られたミニバンから、ガラっと開けたのは・・・



「 ふわぁ~・・・」



( ただ今ご自分で、紹介いたしました・・・。)


キョーコと同じ様にずっと寝ていた不破は、外に出てからデッカク伸っびてアクビっていた。


T シャツの裾から手を入れて、お腹をポリポリかいている。
その姿は、スーパーちょ~売れっ子 No.1歌手として、テレビの画面の中やテレビ局なんかで遇う姿と違っていた。


( でも、不破の方が正解。 )

それは、外に出てから伸びをしていた姿。
後部座席で子供のベビーシートと並んで座っていた彼女。

意外と大人一人前大の座席面積確保のベビーシートの横では、狭かったのだろうと思う。
でも子供を乗せる為の違う車種。

広~い。と始めは思ったものの、成人男性分 意外なベビーシートの大きさが、ん~そうでもないな。と思わせていた。自分が仕事に行く為の時のは、一応・・・

結婚しました。

子持ちに成りました。

そう宣言したけれど・・・

これでもまだ、抱かれたい男No.1に輝いてしまった俺に、社さんからチャイルドシートはダメ。と言われていたので仕事に1人で行く時は違う車に乗っていた。


なんだか自分ではよく分からないけれど・・・


子供を抱いて出た映画公開前会見の影像が世間様から大好評で、憧れの父親像No.1に男性からも選ばれ、女性に至っては、私も欲しい。とのお言葉で 抱かれたい男No.1のまま。
既婚者からは、夫だったらいいのにってな No.1で、それに浮気したい人No.1でもあり、婿に欲しい人としてお年を召している方々からも、No.1。
ついでにお子様方からも、パパになって欲しい人No.1に成ってしまった。


その為、いつも仕事に行く時は・・・


“ 幻想の幻のまま、皆さんにお見せしなさい。”


生活感は必要ないらしい、皆さんのご想像上の理想である男のままの姿での、出勤を命じられていた。


( そ~んな事を言ったらキリが無い。 )

そう思った社さんからの言葉には、奥さんの出産時の自分を誰にも見せられない。とグッチャグチャに泣いていた自分を思い出す。

その前のCMの姿がきっと、皆々様の頭の中に存在しているからの・・・

出産時には外で落ち着いているかの様で、それでも急ぎ足で駆け寄った自分。

窓の外のファンタジーな色合いに広がる世界に未来を思い描いて、微笑みながらその時を静かに楽しみに待っている様で、それでも相手への愛を両腕一杯に抱えたバラに愛情の深さを感じて貰え、落として行ったバラの方には気付きもせず気持ちは焦っている。

・・・・と、云う黒崎監督の演出にドツボに嵌まった視聴者。


( 本当の時は、そんなどころではありませんでした。)

そう皆様の前で謝罪会見でもした方がよさげな自分。

キョーコ自身も敦賀蓮のイメージが壊れない様にね。と敦賀蓮の奥さんとして、きちんと割り切って管理してくれていた。


入籍の時


『 I Chuehone Hizuri may wish . . . I Chuehone Hizuri may swear . . .』

自分、久遠ヒズリは心から願い・・・ 自分、久遠ヒズリは真実の心から誓う・・・


そう自分が誓った時に、包み隠さない自分のままだと教えられていた様で
あの瞬間から自分は、敦賀蓮という芸名で芸能活動をしている 久遠ヒズリと思えていた。

それを知っているのはほんの数人で、キョーコの母親にだけは日本の婚姻届を提出してもらう時、弁護士の彼女の母親が上手く取り計らってくれた為、自分が久遠ヒズリであるという事を知っている。

今日は不破の両親で、キョーコの育ての親である不破の両親に会うけれど・・・

敦賀蓮として彼女の育ての親に会わなければ成らない事は、淋しいもので、心苦しいもので、自分の正体を明かせない自分がもどかしかった。



「 不破君、悪いね、朝早くから。 」

「 ん・・・あぁ・・・」


場所、分かったか?の言葉には、まぁね。と曖昧に答えていた。
老舗旅館の名前を入れれば、Yahoo Map もGoogle Map も表示してガイドしてくれるから。と言えば、そうなんだよ・・・
だからよ、オレの実家だって知られたら、誰でも直ぐに来れんだよ。めんどくせ~・・・
そう言いながら、車の窓を鏡変わりに髪の毛を直している不破。

後ろを向いている彼の側から離れ、車から降りたキョーコが来たから自分は子供の方に行った。




久しぶり・・・




そう不破が、キョーコに こそっと声を掛けていた。


ここに来るまでの間・・・
・・・不破は何を思ったのだろう。


この約束をしたお互いのスケジュール確認の電話の時は、まだ何も知らなかったのか。
その後の何度かの電話にも、きちんと対応してくれた不破。

どんな感情が彼の心の中にあるのかは人それぞれ違うけれど、恋をしていた心には・・・

自分でもキョーコが不破と居るというだけで耐え難く壊れそうに成った自分を考えれば、不破もそれと同じだろうと・・・

自分の心が彼の気持ちを知っている。


でも、謝らない。


なぜなら、自分がクレオパトラとのベッドシーンの撮影時に言葉の無く、唇の動きだけで彼女の心に魔法を掛けた。


“ VENI . VIDI . VICI ”


この言葉。

日本語の発音には殆んど無い、V の発音。
はっきり言って、下唇をゆっくり歯で甘く噛みながら弾き出すこの音は、Love の発音に似ている。

ヴィ二・ヴィーデ・ヴィッヒ

シーザーの有名な言葉でもある、“ 見た・来た・勝った ”

クレオパトラを制する事は、エジプトを制するのと同じ事。
そして愛の言葉に自分が選らんだ理由は、V の発音の唇の色気のある動きと、自分の本心だったのかもしれない。

君の心も自分の心も、お互いに・・・

心を手に取る様に見たと、心に感情が溢れて来たと、お互いの心を制しお互いが勝った

何も憚りが無くなる人生の状況に・・・

お互いが思っていて欲しい言葉。



だから・・・


キョーコの心に不破が居ない事に、俺が勝ったから。

だから不破には全く 悪いね。と “ 朝早く” のお互い分かるスケジュール上の仕事の事は言えても、キョーコと夫婦に成った事は自分の勝利と思っている。


俺に言葉を掛けない不破は、ものすごく落ち着いている。

彼の心にどんな気持ちがあるのかは・・・

恋をしていた時までは自分には分かるけれど、恋が終わった後の感情は自分には分からないもので、ここに来るまでの間、彼は車の中で何を感じていたのだろうと考えていた。


でも彼が人に感情をぶつけなく成ったのは、一回り大人に成ったのかもしれない。

そう思っていた。


「 はぁぁ~・・・ショータローさ・・・」

「 はぁ~~ぁ~~、あん?なんだ? 」


ネッム~ムード漂う、ぼーっっとした2人の会話を、こちらはママにあやされ続けて後半からずーっと今もグ~ピ~寝ている子を確かめながら背中越しに聞いていた。


「 いつ、帰ってきた? 」


その質問に、今着いたばかりだよ。というと思いきや・・・


「 そうだな、上京してから初めてだな。 」



( な~る。そちらね・・・)

子供の頃からの幼馴染みというものは、考えている事が言葉少なでも分かるのだろう。
自分にもキョーコと一緒に居る様に成って、解る時も判らない時もあっても、本質的な気持ちの深部は繋がっていると分かっている。

・・・それは夜、抱きしめ合っていても。


2人の会話に、ここにはキョーコにも、同じ事だったと思っていて、2人の会話には入らなかった。

上京して初めて帰ってきた2人の故郷。

つい先日、自分もLAに帰国して感じていた感情と同じなのだろうと思って聞いていた。


ここまでの道のりとは・・・


両親に逢う前の何かを謝罪したいのか、逢える事に嬉しいのか、今まで自分の中にある思い出と同じ様に両親も自分も接する事ができるのだろうか、静かな心の中にたくさんの表に出す事無い感情が入り乱れていたと思い出す。

そして・・・

故郷に帰宅できる様になった自分の成功の今までの道のりの想いを胸に、出て行った事を後悔はしていなかったから、その瞬間が訪れただけと自分に何度も言い聞かせていた。


1人ではなかった・・・


“ 独りじゃない・・・”

その事が自分の不安を打ち消してくれている様で、あの時頼もしい存在であったキョーコにも、独りじゃないと自分が側にいる事を、彼女の心の中で頼もしい存在に成っていて欲しいと、自分の心の中で願っていた。

それは不破にも同じで、自分たちが切欠となって同行を共にする事は・・・

自分達3人とも同じ様に、黙ってでて来た時を持つもの同士として、頼もしい存在で居たいとも思う。


「 ん~だな、オレも忙しいのを理由に帰っても来なかったし・・・」


今日此処に来る事を不破が両親に電話した時の事を話していた。


「 そう親父がさ、死んでねぇ事はテレビで毎日見てるから、知ってっぞ。ってよ。 」


じゃぁ許してくれてるってことなんだ。まぁな。と言う2人の会話を聞きながら、車の後ろハッチバックのドアを開けて、ベビーストローラーを出そうと思い、ノブに手を掛けていた・・・
・・・けど止めた。

もう一度後部座席に寝ている姫を抱き上げて、うにゃっと一瞬起きたけれど、背中を優しく撫で頭をナデナデしつつ唇を頭に付けて しーっと言い、自分の体をゆらゆらしていたら、
胸に寄り添って襟元の運転手中に緩めていたネクタイを握り締めてグーと寝始めた時・・・
小さく・・・

「 Da. . dd …yeee…...」

と聞こえて驚いた。



うぉ!っとの驚きに、キョーコ、キョーコ。と思わず手招きしていた。



「 なに、どうした蓮? 」


オムツ?と聞き返していたけれど、違う違う、実は・・・・とコソコソ言ったのは、
“ パパ ”ではなく、“ ダディ ” で英語だったからもあったけれど、初めての言葉が、俺にだったのか確かめたかった。

こそこそっと耳元に顔を寄せ、今まで何かしゃべったか?と聞く。


「 あぁ、あるよ。“ ママ ” と “ マミー ” 」


この2つ。と指をピースにして、ニコッと微笑んでいた。


「 VENI, VINI, VICI 。 私の勝ち。 」


それは確かにほぼ一日一緒に居るキョーコの事を言うのは当たり前でも、せめて2番目には・・・

ダディ。 が来て欲しかった。


でも、自分から胸に寄り添って安心している子は、ダディって言葉を間違いなく自分に向けてくれた事が、Mommy とDaddyの区別が付いていて嬉しかった。


「 教えたの? 」

「 う~ん、パパって教えたんだけどね・・・」


なんでだろ?マミーとも教えてないけど?と頭を捻ると、自分が思うのは・・・

・・・クーだ・・・


自分がLAに帰宅した時、ピアスもしてないし俺と同じスタイルを好むクーの胸にも自分から寄り添って抱かれていた。いや、センスはクーのを、俺が貰ったと言うべきだろう。

きっと俺と同じ様に感じて居たのだろうと、俺達が用事で出掛けている間、俺を育てた事のある彼らはきっと、言葉をたくさん教えるように話しかけていたのだろう。

帰ってくると子供は余りに疲れた様に、朝まで起きる事無く大爆睡していた。

こちらも社長とまでは行かないが、俺より遥かに金銭感覚の0単位が狂いまくっているためか・・・


昔の俺の寝室の横・・・俺の勉強部屋だった部屋・・・

自分が子供の時は遊び部屋だった部屋が、自分が子供の時と同じ様に変えられていた。








『 変えたの? 』

『 まぁな・・・いや、戻しただけだ。 』


俺の肩をポンと叩いて、テキストとか必要か?と言われると、必要ではないハイスクール過程までのもの。


『 それにデスクはお前の書斎を作っておいた。 』


その言葉に、はい?と首を傾げていた。


『 Let’s take a loooook ~~! 』


そう。家に着いてすぐ自分の部屋の階に連れて来られていた。

・・・どうしても早く見せたかったのだろう。

クーに引っ張られている間中、クーは3ヶ月ぐらい人が出たり入ったり、デザイナーもなニューヨークから呼んで・・・とか、ワケの分からない事を言っていた。


自分が子供の時と同じ様に、Kiddy Landの店頭に並べられている実物大のキリンやテディベア。
目が届きやすい、ホールの様にドアも壁もない広がる空間。自分が子供の時を思いだす。

子供の頃メイドもSPも多くの使用人の目が届く場所で、大きくなったら家庭教師がこの空間にも来ていた事も、たくさんの思い出が蘇っていた。


『 このキリン、捨てて・・いや、どこに置いてあったの? 』


あぁ、それは・・・・


この子供部屋に思い出す。
クーが最優秀新人賞を貰って華々しく主役として抜擢された、次の映画。

その時から自分の部屋は、動物園に成って行っていた。

クーの思い出と共に、一匹ずつ増えて来た。
その全てはきっと・・・


クーにとっても、忘れられないものだろう・・・



そしてその空間に幾つものドアがあって、何人兄弟が居てもおかしくない様な、その階にある有り余った部屋の数部屋・・・


キョーコの部屋と、この子の寝室にリモデルされていた。


『 きゃぁぁ~~! 』


叫びをあげそうだったキョーコは自分の口を自分で両手で押さえて、クーに寄り添っていた子供の方をちらっと見ていた。


『 キョーコ。お帰り。 』


クーがキョーコに微笑みながら顔を覗き込んでいる。



『 あぁ、ごめん。

・・・ クオン・・お帰り。 』


その言葉は、自分に向けられていると感じていた。


『 さ、部屋に入ったらどうだ? 』


キョーコが自分の部屋に驚いたのは言うまでも無い。思いっきりの大人風味、バッキンガム宮殿の様に成っていた。

子供の部屋は、子供風味のファンタジー映画さながら・・・
色とりどりの虹も空も、月も太陽も、森も海も花園も・・・ありえなく混在するCG・SF映画の様にされていた。


その部屋に驚いたキョーコは、えっ、えっ、と全てのものに驚いていてキョロキョロしっぱなしでいた。


そして、クーが言ったのは・・・



『 キョーコ。俺はお前の父さんだぞ。
 
自分の子が家に帰って来ただけだ。自分の部屋があるのは当たり前だよ・・・」



その言葉は、ドアの側に立っていただけの俺の目を見て、自分に向けて言っていた。





_________ カチャ


キョーコとクーが子供の寝室で、お姫様のベッドの様にたくさんの花が敷き詰められた様に透けて見える特注のマットレスに、色とりどりの羽毛が透けて見えるオーガンジーの布団を掛けて寝かせようとしていた。

着陸時にドエライほど泣いていたためかの旅疲れの出ているお子様は、クーの服を握ったままそっとベッドに降ろされて、それでもクーの襟元を離さないでいた。

だから、その間に・・・


自分の部屋のドアを開けていた ___________




自分の部屋は・・・

・・・そのまま



自分がパスポートを持って出ただけのあのままだった。


パスポートを入れていた引き出しが開けっ放しのまま・・・


自分が閉めずにそのまま出て行ったあの瞬間が自分の脳裏に蘇って来て、大きく息を胸の奥まで吸い込んで、静かに長く目を瞑って吐いていた。

引き出しに近づくと、手を伸ばして閉めようとした時に、カチッと引き出しの取っ手に指輪が触れて小さな音を立てていた。

親指で指輪を触りながら、反対の手で引き出しを閉めた。ベッドに座りそれぞれの指を擦り合わせても、ザラザラした感覚はなかった。両手を開いてみると、埃やちりはただの一粒も無いほど綺麗に掃除がしてある事は・・・

クーもジュリも部屋には入らないけれど、きちんとメイドが掃除をしてくれていると思った。
ベッドのヘッドボードと壁の隙間に手を入れて、長い自分の腕でしか届かない場所に置いていた・・・

隠れて吸っていたタバコ。それにライター。

それが出てきて微笑んだ。


カチカチとライターを確かめると、もうガスが抜けて火は点かなくなっていた。



ただ、大人の仲間入りしたくて・・・


15歳だった自分が、16歳になった友達に仲間と思われたくて、
俳優として早く大人に成りたくて、それだけの思いだったのかも知れない。

火の点かなくなったライターは、時間と共に徐々に徐々に・・・
その時間の過ぎ行く間に自分の人生からも同じ様に、自分の中からあの頃の様な赤々と熱く、青々と淋しげに混在しながら燃える炎の様な感情も、徐々に時と共に抜けて行ったのだろう。


カチカチしながら見上げたのは・・・

壁一面の飾り棚。自分の思い出達


写真立てにも埃など被っていないその写真の中に、リックと撮った写真があった。

立ち上がり左手をポケットに入れて右手でライターをカチカチしたまま、リックと2人笑っているその写真を見ていた。


『 Hey Rick . . . I’m just coming back 』


リックに、ただ今と声を掛けて・・・

その写真を見詰めていた。

マウイオムライスを征服した後の写真。あまりの不味さに自分はジュリの子だな。と思った事を思い出していた。その後リックと一緒に吸ったタバコの苦味の方が、上手いと感じていた自分。

その写真の前にタバコとライターを置き、写真の中の自分を指で軽く弾いた。


『 Rick. You told me. . . Only the person can be makes me with magic someone who I feel love, which you fuc...n’ teach me the meaning of . . . RELUCK 』

リック、教えてくれたよな。この世で好きな女に魔法を掛けて貰うだけだって。
もう一度幸運を運んでくれる手で掛けてもらえって・・・


ポケットに入れていた左手を出して、手の中に握っていた物・・・

リックの最後の時が刻まれて止まったままの、リックの腕時計。



『 Watch. I made it . . . 』

見ろ、叶ったよ。


キョーコ好きな女に掛けてもらった、Infinity 永遠のリング
途切れる事無く廻り繋がり続けるその形。

彼女に掛けてもらった、Infinity RELUCK 離れても、もう一度廻り逢える様に、何度でも幸運が離れても戻ってきて欲しいと願っていた自分。子供の頃から廻り逢えた再会の奇跡の様に、何度も自分と離れても、時がまた戻る様に廻り逢いたいと、そう願って・・・

もう彼女からの幸運を自分は二度と離さない、入籍して彼女に重ねられた手を握り締めたあの時を思い出していた。


『 I just wanna tell you, It was real 』
  
本当だったな。あの魔法



Thanx Rick. . .

ありがとう、リック・・・



リックの腕時計を手に持ったままその写真の横を見た。
この同じ棚に・・・

埃を被っていないピカピカ輝く、オスカー像を撫でた。


_____ Daddy. .  What’ s his name ?
ダディ。この人の名前なに?

_____ His name is Oscar. 
    オスカーだよ。


思い出すのは、自分の父が自分が生まれることに成って一度捨てた栄光。
日本での全てを殺しこの世にもう存在しないと心に終止符を打った後、クー・ヒズリとして新たに始めた人生。
その初めてクーが認められた栄冠の証。

自分がその側にいた事もはっきりと覚えている。クーが悪役スパイだった事も覚えている、自分には正義のスーパー・ヒーローは、自分の部屋ではなく帰りの車の中で、オスカーの名を教えてくれた後、抱きしめたまま眠ってしまった俺に、この部屋にずっと置いたままにしていた。


この像を見て、


自分もいつか・・・


ずっと自分の未来を思い描き、そう願って来た自分。

クーの栄誉の瞬間を自分に受け渡されたと感じ、ヒズリの名と共に、Chue J クーのジュニアとしてのプレッシャーに悩まされていた自分を思い出す。

これから、自分は・・・

そんな瞬間を迎えることが出来るのか、自分がもう一度・・・

Chue J クーのジュニアの何に恥じない瞬間を、これから・・・

永遠の廻りくるRELUCKの魔法を掛けてくれた、大好きな大好きな愛しい人とその手を離さないで・・・

彼女の掛けてくれた魔法が、本物だと・・・

自分が自分で努力するしかないと・・・

自分がこの魔法を彼女に伝える時、本当だったと立証する。と・・・

その時子供にも教えたい魔法だと思っている。


パパはね・・・
世界で一番好きな、Infinity この人生に廻り逢う事ができたママに

掛けてもらっただけ・・・って・・・


・・・掛けてもらっただけと彼女にも伝えたい。






廻りあいって・・・すごいな・・・






子供の頃、京都に行った自分の写真がその横に置いてあって、アメリカに帰国する日の・・・

その時・・・
泊まった旅館の前で撮った、自分が心からの笑顔に変わった時の写真を見ていた。




・・・・キョーコ・・ちゃん・・・・





『 久遠? どこ? お~~い・・・・ 』


広い家を探しているのか、キョーコの俺を探している声が聞こえて遠ざかっていった。
ふふっ。とその声に微笑んで、2つの写真立てを離して並べ直した。

左手に持っていたリックの腕時計を、リックと子供の頃に写真の間に置いた。

この2つの写真は、自分が心から笑顔だったと自分で感じた写真。

この一番大切な思い出だけの棚に・・・

これから・・・・・



これからのキョーコと過ごす自分の、本当の心からの笑顔の写真を飾りたいと思っていた。


・・・だから、RELUCKの魔法のまま



自分が創るこれからの瞬間がどんなものか想像は出来ないけれど

この2つの大事な人が作ってくれた自分の笑顔の写真の間に・・・

自分が此処にまた来る時は、そんな写真を持って帰ってくると時計を置いて行く事に決めた。



自分が創るもの



その想いを心に刻んで・・・・



その後に見た自分の新しい書斎は、その階ではなかった。

いつアメリカに戻ってChue Jとして活躍してもいいようにと、クーの部屋の横に・・・

クーが台詞を覚えたり放送された演技を確かめる為のスクリーンやテレビなども備えたような部屋と同じに成っていた。
その横にドア一枚隔てただけで繋がる、クーが演技の練習をしたり身体を作ったりするジムとレッスン場、その部屋とも自分の書斎は壁を抜いてドア一枚で繋がる様にされていた。

日本で今の自分と同じ様に活躍した保津周平という経歴を持つ彼が、ここにこう部屋を造ってくれた事には・・・


自分の憧れの先輩


クーにたくさん教えて欲しい。  と・・・

クーからたくさん学び得たいと、思っていた。



“ いつでも・・・Welcome 戻って来いよ ”



もうその準備がクーの心に出来ていると、その心に感謝した。

自分の心も、あのガスの抜けたライターと同じ様に・・・

素直に学びたいと心から願えていた。








この滞在中2人が泊まったのは、それぞれの部屋ではなく、ゲストハウスの方。

一度一晩だけ、この子をクーとジュリに預けて、ゲストハウスに2人で戻ろうとした時・・・


『 お~い。Somebody~、送っていけ~~~ 』


そのクーの言葉に、立ち上がっていた二人で、えっ。要らないよ。と振り返った。
いくら広いと言っても、自分の家。
庭を少し歩いて横切ればたいした距離でもなし、自宅の土地の中。SPの付き添いも必要ない。

そう思っていた時・・・

泊まる用意をして、そちらに迎えをよこすから。と言われた。
はい、じゃぁ・・だいたい15分だな。入り時間。OK?とも言っている意味が分からないでいると・・・


『 久遠、マリブの方の家にもな、キョーコの部屋あるから。 』
 

( はい?そちらも・・デシタカ・・・ヤッパリ・・・)


親バカ・・・


フッと思わず笑ってしまった。
彼らがキョーコの事を、本当のクオンとしてなのか・・・

いや・・・彼らの新しい娘、キョーコ・ヒズリとして迎えてくれた事なのかもしれない。


 
『 いいな。お前が案内してやれ。
だから今日は2人だけで、マリブの家に行って来い。
   
まぁ・・・それか泊まりたいホテルか、
行きたい所があるなら、遊びに行って来ればいい。 』



俺達は明日の事を考えたらあっちは遠いしな~~。な~ジュリ。うふふ。そうよ~。どうぞ~。こちらは、Gran Pa と Gran Ma に任せなさ~~い。

とこちらも新婚当初のまま20年以上続く、ちゅっちゅしまくるご夫婦。


( 自分でもじいちゃん、ばあちゃんって言っておきながら・・・)

初孫なのに自分たちの子供が産まれましたの雰囲気漂わせているお方々。
俺の兄弟が孫より後に生まれるんじゃないかと思うほど、もうその・・・

俺達の間に入る事は許されない。

と言われている雰囲気だった・・・。
そーんな自分の両親だけど、等身大のパンダに抱きつき喜んでいる愛しの奥様と俺の子供の方しか見ていないクーとジュリの好意に甘えて・・・


『 じゃぁ、宜しく。 』


そっとそう言って子供に手を伸ばす事もクーたちの邪魔をする事も無く、そ~っと2人でその場を後にした。


マリブの朝、水平線に朝日が昇るのを、高台の海辺の部屋から2人で見た。

まだ誰も起きていない時間だと思っていたから、子供の事と、スケジュールがあると言っていた忙しいあちらのスーパースター お2人サマの今日のそのスケジュールがどうなっているのか聞きたかったけれど・・・
まだ電話できないね。と話していた。


『 ダイビングする? 』


ん~~~・・・との言葉に、じゃぁサーフィンは?と聞くと、そんな事もっと出来ない。との返事。
いい波だな~~と自分が思っているって事は、ダイビングには向いていない海模様。

潜っても濁っているだろうし、海流もあるから初めてには危ないしな~・・・ そう自分でも思ったので、どうしようか?と言いながら、コーヒー片手にデッキから、下のプライベートビーチに降りる階段を降りていた。


海からの風が自分を懐かしい思い出に、連れて行ってくれていて・・・

ここだけではない色々な事を、脳裏に蘇らせてくれていた。



海岸で重ね合わせた唇に・・・

お互いの口から伝わるコーヒーのほろ苦さは、甘くて・・・

言葉の要らない時間を、その甘さに任せていた。





帰国する日になって・・・

スーツケースの山をSP達が運んでくれている中、パンダに向かってなんか言ってる子供を見ていた。

パンダ。持って帰るか?と、眼鏡を掛けキランと光っていない普通のお父さんのクーの言葉に、東京のマンションを思い浮かべながら、ん~~・・・とその大きさに2人で唸っていた。


『 あのさ・・久遠もキョーコも知ってるかどうか?
赤ちゃんてな、丸の物。それと左右対称。それに興味を持って目が行くんだよ。
それからまだ色がそんなに見えないから、白と黒とか色対比の差が大きい物。 』


例えばな、キリンや象ならこうだ。と言いながら、実物大のキリンと象を、どすっと正面に向け変えていた。


『 成長するにしたがって、その物の全体を見る様に成ったって事だ。 』


よく 赤ちゃんのお絵かきは、顔しか描かないだろ?グルグルって。しかも単色か2色。
そんで少し大きくなるとその下を描き始める様になって、学校に行く頃には、横向きの動物を色を使って描き始める。

その言葉にウンウンと頷いていた。

クーが傍に寄って来て俺とキョーコの顔を、じーっと見始めた。
なんだ?でも知らなくてすみません。とガンを飛ばされていると思っていた。


『 ウン。さすが我が息子たち。 』


そのクーの言葉に、はい?と、これから学びます。と、思っていたら少し違っていた。


『 久遠もキョーコも芸能人向きだな。合格。 』


なんですか?そりゃ?と頭を二人揃って同じ様に傾げていた。


『 人とはこの様に育ってきて、左右対称が美しいと認識する事がある。 』
 

スチャっと眼鏡を外したクー。
絵本を読むのに老眼か・・・。と、自分の親の老いを感じていた朝だった。


『 あれ? それ・・・』


クーが手に持っている外した眼鏡越しのカーペットの模様を見たら、何も変わらないでいた。


『 あぁ、これ?度は入ってないよ。伊達だから。 』


今言っただろ。赤ちゃんは左右対称が好きだって。そ~~、ジュリの方にばっか懐かれたら淋しいな~と思ってかけたら、ズルイ。とジュリも言い出してな~。2人でずっとかけてたよ~。
まぁ、それはいいとして・・・


『 芸能人向き。って事だよ2人の顔。 』


いいか・・・と話し出した、左右対称の顔だちをした自分の妻をこの世の中で一番美しいと感じている、こちらも左右対称の顔をしたクーをじーーと見ていると、何かの違和感に気付いていた俺だった。

ピアスしてないのは、子供の為か。

それじゃぁ、なんでピアスを片方だけしてるんでしょう?と思っていたのは、さすが親子なのか心が通じたのか定かじゃないけど、片方の耳にダイヤのピアスをしてキランとそちらと、んでオーラまで輝きだしていた。


『 俺はな、右向きと左向きとで印象が変わる様に、使い分けてもいる。 』


まぁ役によりだけどな。それに大人とは飽きるもの。
動くたびに目に入る、光の変化に目が行き、何かが変わった様に印象を付ける事も出来る。
揺れる物、ポニーテールなんかもだ。


( なるほど・・・。)

よくモデルがビシッとオールバックで長い髪を、正面から見えない低いのか高いのかびみょ~な位置で纏めている。ウンウンと頷きながら それにもモデルとして、納得していた。


『  いいか、自分の意志で左右で分けられない演出もある。 』


うんうん。と2人で黙って聞いていた。

うふふっ。と微笑みながら、子供を抱きかかえていたジュリが傍に寄って来ていた。
その横で、にこにこジュリを見詰める旦那さん。2人が子供の頭にチュっと同時にキスをして、お互いもチュ。ではなく・・・ちゅ~~ってしていた。

目を開けたクーがニッと口角を上げて、急にこちらを見たので・・・


“ してみろ。”

・・・と、演技のテストでもされているのかと、挑戦されている気になり、キョーコの肩を抱き寄せたら・・・

そうじゃない。と言われて、なんだか分からぬダメ出しに、役者癖なのかカットが掛かって止まっていた。


『 違うよ。そう云う意味じゃない。 』


にこ~っと両親揃って俺達に微笑みかけていたのは、優しい笑顔に成っていたからだった。


『 例えば口角の両方を対象に上げて笑う時、それには両目も同じ様に。
それが人に安心感を与えて・・・
悪い役。これをする時は、不安を与える為に表情の左右対称を変えて、人に見せる。 

それと、口が笑っていても目が笑っていない。

これは、上下が対象では無いから、違和感と不安を与える。
目が笑っていても、口を閉じている。それは・・・・

・・・・・やってみろ。 』


いいか、二人で向き合って・・・そうそう、お互いを見合って見合って・・・とは、相撲の取り組みかいとは思うけれど、突っ込む雰囲気ではなかった。


『 あれ? 難しくない? 』


お互いにそう言い出していた。


『 そうなんだよ・・・だから人の顔の筋肉は、できる事と出来ない表現がある。
  そういうのも、きちんと2人でこれから、練習しあいなさい。 』


『 ハイ。 』


素直に頷き返事をするキョーコにとって、クーは先生なんだと・・・
微笑んで見ていた。

ジュリが子供を俺に両手で微笑みながら差し出してくれるのを、はいはい、対称を好むモデルのお母様と自分も両手を差し出していた。


それとね・・・


クーの言葉の次にジュリが話し出した、子供への話しかけ方。


『 言葉はね、“ ま ” と “ だ ”。
この2つの言葉を始め覚えるものなのよ。
言い易い発音。ってところかしら・・・』



だから英語では、ママ。Mommy マミーの事を、Ma マ と言って、
パパ。Daddy ダディの事を、Da ダ って呼ばせるのか。ナルホド。と頷いていた。

パン“ダ”は・・・

いや、やっぱりデカ過ぎるだろ、持って帰るには。とお断りをしていたら、そうかぁ、お前の子供の頃の匂いが着いてんだけどな~・・・。ってな言葉にも・・・・

この子がパンダ恋しさに泣き出したら、自分で買って抱きついてからにしますと思っていた。


『 じゃ、行くか? 』


そう肩を叩かれたけれど・・・


『 いや、遠慮しておく。 』


彼らが空港まで送りに来たら、自分の素性も分かってしまうのを、勝手に報道されたくなかった。だから、淋しいいけれど・・・・



『 じゃぁ、また・・・』


『 すぐ、また来いよ。いつでも・・・』




はい・・・



いつでも、学びに帰って来たいです。

だからスーパー・ヒーローの隣に、これからも置いてください。

あの隣の部屋で、たくさんの事をこれから学びたいです。

そして・・・

家族の階に行ったら、親として学ぶ事も・・・


どうぞ、これからも宜しくお願いします。






スーパースターで、自分にとってスーパー・ヒーローの彼らへの自分からの愛は・・・


火の灯す、隠れて吸っていた苦味の様な心ではもう、無くて


熱くも淋しげでもない・・・


何も無いままの今・・・


新しい炎を灯すなら、温かな違う炎を灯したいと思っていた。





彼らの空港までの見送りを断ってよかったのと、でっかいジャイアントパンダなんて持っていたら目立つだろ。ってな判断がヨカッタ。と思ったのは、日本人観光客が多い事もアメリカでもゲートシティとしての空港の役割をしているLAX。

行きかう人を、車の窓から見てドエライ騒ぎ成る前で、ヨカッタ。とほっとしていた。

プライベートジェットのゲートターミナルにも、日本人の会長さんなど・・・
若い俺達を見て、ご自分で会社経営をそのお年でとは・・・ははは。と、保津周平のドラマ世代のオジサマに、伸びて びみょ~な混ぜ混ぜの髪色の翠の瞳の俺は、サイケデリックでアッシュな会社ですか?さすが、アメリカ人ですな。発想が違います。と、勘違いされて直ぐに逃げる様に・・・社長のサイケデリックでアッシュなプライベートジェットに搭乗した。


帰りの飛行機の中では、行きとは逆に自分がMs Woodsに髪を染め直してもらっていた。
キョーコは子供と熟睡して目が覚めたら・・・

敦賀蓮になっていた自分を見て、そ~っだった。と思い出したらしい。でも、子供は・・・

見た目じゃない。

自分の胸の中に寄り添って安心したように、大きなあくびをしていた ____________






旅行中はずっと誰からも、久遠。Chuehone。 と、呼ばれていた・・・





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At . . . LAST STILL CONTINUED


One More Love . . . at Last . II

Love Letter from RT and CH