恋愛も、仕事も、友達づきあいも完璧で理想の男-第1話 10:00pm

Posted by 美海 * mimi on 01.2014 DRAMA
恋愛も、仕事も、友達づきあいも完璧で理想の男



______ Starring


敦賀蓮

貴島秀人



* we Are set in… 始めの、1 歩 *





・・・ ゴォ―――


空港の自動ドアを抜けると感じる、日本の空気 ________

飛行機の飛び立つ轟音が遠くで響くのを聞きながら、この日本のどんよりとした重たく感じる空気を吸い込んだ。


・・・ 懐かしい ・・・


そう思ってポケットからスマートフォンを取り出して電源を入れた。
空港の中ならばまだ、wi-fiが使えると思っていたので、wi-fi経由で電話を掛けた。



____ 部長補佐に任命され、ヘッドハントにより日本に帰国する事になった。

今までニューヨークで大手の広告会社に勤め、雑誌のエディターをしてきた傍ら、ファッション誌の広告塔として、自分がモデルをすることもあった。


海外何ヶ国かに発行されている雑誌・・・

同じ系列の会社であっても日本語版は、今まで記事を書いてきたアメリカ版の内容とはだいぶ変わって書き換えられている。

どのようなものが日本人にも受け入れられるのかどうかを、アメリカと日本とで生活した事のある俺、両方の感覚を持っている為に今回部長補佐という形で、ヘッドハントされた。____



電話の通話音を聞きながら歩き出した・・・

・・・日本での、始めの一歩。 ____ コツ・・・ 



コツ、コツ、コツ・・・・・


留学が終わりそのまま仕事を続けてきた俺が、日本に帰国したのは久しぶりだった。





・・・・・




___ Eric Satie

Trois Gymnopedies 1 Lent と共にお読み下さい。




・・・・・   * we Are set in … 始めの 1 歩 *



周りには今降りて来たばかりの、世界各国のお土産袋やDuty Free Shopの袋を下げた人達の隙間を抜けて歩いていた。

何組かの人の列が出来ていたタクシー乗り場。
そこに向かっていると、電話の向うから聞えた声。

・・・ 「 Hello 」



「ふっ。ただいま。」

「なんだよ、日本語忘れてないのか。・・・今、何処に居る?」

「 空港に着いて・・・ タクシーに乗ろうとして並んでるけど・・・あぁ、次だから。」

「あぁ、俺さ・・・会社からの迎え。そう、部長補佐の同僚の送迎に?・・今、空港にいるんだよね・・・。」



ん?部長補佐・・・と気が付けば俺の迎えと判断した。
タクシーの列から外れたが、後ろに並んでいた年配の・・・南国から帰国したと見られる仲のいいご夫婦に気が付いた。

タクシーのドアが開いて後ろのトランクを開けてもらっているのを見て、気付いた。


「 手伝いますよ。」

自分の住んでいたニューヨークと違って、自分のスーツケースをそこに置いたまま目を離しても、誰も盗らない事。

微笑んでスーツケースを持ち上げトランクに入れようとしたけれど、ジャケットのボタンを閉めていたので腕が上がり辛かった。

ボタンを外しジャケットを脱いで、自分のスーツケースの上に、ポンと投げた。

自分のジャケットのポケットには、財布もパスポートも入っている。でも・・・


ここは、日本。
治安のいい、人の物に触りもしない・・・

けれど・・・

人に物を触られる事を、嫌う・・・


良い面と悪い面が、いつも同時に存在する・・・変わった国。

安心と不安が同時に起こる・・・変わった社会。

そして、他人には無関心と云う・・・ 
見て見ぬフリをする・・・ 変わった人達のたくさん居る世界。


この日本で育ったけれど、今までの自分が大人に変化する始まりは・・・違う国で育んできた。
アメリカの常識がこの国では違う事をしっかりと見極めて判断し、これからの自分の行動を予測し起こさなければ、仕事に関しても影響を及ぼすだろうと思っていた。


「ありがとう、ございます。」

ご年配の男の方は、タクシーの中に先に入っていた奥さんにも促して・・・
感謝の言葉を俺に向けてくれた。

その感謝の言葉が・・・

俺の心の中に刻まれて、これからの日本での自分の行動を予測してゆく最後は、必ず感謝を込めて・・・と、感じた、清清しい・・・


・・・始めの1歩だった __________________


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Love Letter from RT and CH

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